特定求職者雇用開発助成金「特定就職困難者コース」の申請方法【2026年版】|対象者・支給額・手続き

特定求職者雇用開発助成金「特定就職困難者コース」の申請方法【2026年版】 雇用・採用助成金

結論として、このコースはハローワークや職業紹介事業者等の紹介を経て、60歳以上の高年齢者や障害者、母子家庭の母等の就職が特に困難な求職者を、継続して雇用する労働者として雇い入れた事業主に対して助成される制度である。ポイントは「紹介を受ける前に内定を出していないこと」「紹介を受けた後に雇い入れていること」の順番が厳格に求められる点にあり、支給申請は原則として6ヶ月ごとの支給対象期ごとに行う。以下、対象者の範囲から支給額の考え方、手続きの流れまで解説する。

特定求職者雇用開発助成金「特定就職困難者コース」とは

特定求職者雇用開発助成金は、就職が特に困難な状況にある求職者の雇用機会を増やすことを目的に、そうした求職者を継続雇用する労働者として雇い入れた事業主に対して助成する制度である。複数あるコースのなかで「特定就職困難者コース」は、最も対象範囲が広く、活用されることの多いコースの一つとなっている。

対象となる求職者には、主に次のような属性が挙げられる。

  • 60歳以上65歳未満の高年齢者
  • 身体障害者、知的障害者、精神障害者
  • 母子家庭の母等・父子家庭の父等
  • 中国残留邦人等永住帰国者
  • その他、就職が特に困難と認められる者

このコースを活用するには、対象者をハローワークまたは適切な許可・届出を受けた職業紹介事業者から紹介を受けたうえで、継続して雇用する労働者として雇い入れることが必要になる。

対象となる労働者と紹介・雇入れの順番

このコースで最も注意すべきなのが、「紹介」と「雇入れ」の順番である。事業主が先に対象者へ内定を出してしまい、その後にハローワークの紹介状を取得するような手続きの場合、原則として対象外となってしまう。逆に、いったん雇い入れてから紹介を受けるという順番も対象にならない。

正しい順番は次の通りである。

  1. 1. ハローワーク等に求人を提出する
  2. 2. ハローワーク等から、要件に該当する求職者の紹介を受ける
  3. 3. 紹介を受けた求職者を、継続して雇用する労働者として雇い入れる

紹介状に記載されている紹介日と、雇入れの日(雇用契約の締結日)の前後関係は、審査で必ず確認される項目である。担当者が異動で入れ替わるタイミングなどで手続きの順番を誤ってしまうケースもあるため、採用担当者全員がこのルールを正確に理解しておくことが重要である。

対象者区分と主な要件の整理

対象者区分 主な要件のポイント
60歳以上65歳未満の高年齢者 ハローワーク等の紹介により継続雇用する労働者として雇入れ
身体障害者・知的障害者 紹介を受けて雇入れ、短時間労働者かどうかで金額区分が異なる
重度身体障害者・重度知的障害者・精神障害者 一般の障害者区分よりも手厚い金額・長い支給対象期が設定される
母子家庭の母等・父子家庭の父等 児童扶養手当の受給状況等、要件に該当することの確認が必要

支給額の考え方|支給対象期ごとの仕組み

このコースの支給額は、対象者の区分や雇用形態(短時間労働者かどうか)、事業主の規模(中小企業かどうか)によって異なる。基本的な考え方として、中小企業が60歳以上の高年齢者等(重度障害者等を除く通常区分)を短時間労働者以外の形態で雇い入れた場合、支給対象期ごとに一定額が支給され、複数の支給対象期にわたって合計60万円(30万円を2期にわたって支給)が基本的な水準として案内されている。

一方で、重度身体障害者・重度知的障害者・精神障害者等については、支給される金額や支給対象期の回数が通常の区分とは異なり、より手厚い設定になっている。具体的な金額や支給対象期の回数、短時間労働者の場合の金額は、対象者の区分ごとに細かく定められており、年度によって見直される可能性もあるため、本記事では確実な水準のみを示すにとどめている。※本記事は2026年9月時点の情報をもとにしており、最新の支給要領は厚生労働省・ハローワークの公式サイトで必ずご確認いただきたい。

支給対象期のイメージ

支給対象期 内容
第1期(雇入れから6ヶ月) 雇用継続の状況を確認し、支給申請を行う
第2期(7ヶ月目から12ヶ月目) 引き続き雇用が継続していることを確認し、支給申請を行う
第3期以降(対象者区分による) 重度障害者等、支給対象期数が多く設定される区分で発生

支給対象期ごとに、その期間中の出勤状況や雇用契約の継続状況を確認したうえで支給申請を行う流れになるため、1回の雇入れで手続きが完結しない点を理解しておく必要がある。

申請の流れ|求人提出から支給申請まで

実務上の手続きは、おおむね次のような流れで進む。

ステップ 内容
STEP1 ハローワーク等に求人を提出する
STEP2 対象者の紹介を受ける(紹介状の受領)
STEP3 紹介を受けた者を継続雇用の労働者として雇い入れる
STEP4 雇入れ後、支給対象期ごとに雇用状況を確認する
STEP5 各支給対象期の終了後、支給申請書を提出する
STEP6 審査を経て支給決定・支給

支給申請の際には、雇用契約書、出勤簿、賃金台帳、紹介状の写しなど、雇用の事実と雇用継続の状況を証明する書類一式が必要になる。書類の不備や提出期限の超過があると審査が長引く、または支給を受けられなくなることもあるため、支給対象期の終了後は速やかに書類を準備する体制を整えておきたい。

よくある不支給理由と注意点

このコースの審査でつまずきやすいポイントには、次のようなものがある。

  1. 1. 紹介前の内定・雇入れ後の紹介:前述の通り、紹介と雇入れの順番を誤ると対象外になる。採用フローの中でこの順番が徹底されているか、事前に確認しておく必要がある。
  2. 2. 雇用形態の要件を満たしていない:「継続して雇用する労働者」として雇い入れる必要があり、有期雇用契約であっても更新の見込みなどの要件を満たしているかが確認される。
  3. 3. 支給対象期中の雇用継続の中断:支給対象期の途中で離職や大幅な労働時間の減少があると、その期の支給を受けられなくなることがある。
  4. 4. 提出書類の不備・期限超過:支給申請には提出期限が定められており、期限を過ぎると原則として申請できなくなる。

こうした手続きは、採用から複数回にわたる支給申請まで長期間管理する必要があるため、社内の人事担当者だけで漏れなく対応するのは負担が大きい。手続き全体の流れを体系的に押さえたい場合は助成金の申請方法完全ガイド、他の雇用系助成金とあわせて活用状況を整理したい場合は人材確保等支援助成金2026年版完全ガイドも参考になる。また、支給申請でよく起きる失敗のパターンは助成金申請でよくある失敗10パターンでも整理しているので、あわせて確認しておくと安心である。

専門家に依頼するメリット

紹介と雇入れの順番、支給対象期ごとの申請、対象者区分ごとの要件確認など、このコースは制度自体はシンプルに見えても、実務上のチェックポイントが多い助成金である。社会保険労務士など専門家に事前相談することで、採用フローの段階から要件を満たす手続きになっているかを確認でき、複数の支給対象期にわたる申請漏れも防ぎやすくなる。

よくある質問(FAQ)

Q1. すでに内定を出した人を後からハローワークに紹介してもらうことはできますか?

原則としてできない。このコースは紹介を受けた後に雇い入れることが要件であり、先に内定を出してから紹介状だけを取得するような手続きは対象外となる。

Q2. 有期雇用契約でも対象になりますか?

「継続して雇用する労働者」として雇い入れることが要件であり、有期雇用契約であっても、更新の見込みがあるなど一定の要件を満たせば対象になり得る。契約内容の確認が必要である。

Q3. 支給申請は雇入れ後すぐに1回だけ行えばよいですか?

支給申請は雇入れ後すぐの1回だけでなく、支給対象期(原則6ヶ月単位)ごとに複数回行う仕組みになっている。各期の雇用継続状況を確認しながら、期限内に申請する必要がある。

Q4. 障害者を雇い入れた場合、金額は高年齢者と同じですか?

対象者の区分によって金額や支給対象期の回数は異なる。特に重度身体障害者・重度知的障害者・精神障害者については、通常の区分よりも手厚い設定になっていることが一般的である。

Q5. 職業紹介事業者からの紹介でも対象になりますか?

ハローワークだけでなく、適切な許可・届出を受けた職業紹介事業者からの紹介であっても対象になり得る。紹介元が要件を満たしているかどうかは事前に確認しておくことをおすすめする。

まとめ|助成金・補助金の申請はTrue Partnersに相談を

特定求職者雇用開発助成金「特定就職困難者コース」は、ハローワーク等の紹介を受けたうえで、60歳以上の高年齢者や障害者、母子家庭の母等を継続雇用の労働者として雇い入れることで、支給対象期ごとに助成を受けられる制度である。紹介と雇入れの順番、支給対象期ごとの申請という2つのルールを守ることが、支給を受けるうえでの最重要ポイントになる。

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