女性活躍推進助成金は、えるぼし認定の取得や女性管理職比率の向上に取り組む企業が対象で、2026年度は両立支援等助成金の各コースで数十万円〜100万円規模の受給が可能です。えるぼし認定を取得すると加算措置の対象になるコースが増えるため、認定取得とセットで進めるのが最も効率的な受給ルートといえます。本記事では2026年度の最新制度をもとに、対象要件・申請手順に加えて、えるぼし認定の取得費用の目安や不認定になりやすいケース、よくある質問まで解説します。
女性活躍推進に関連する助成金の全体像
女性活躍推進に取り組む企業が活用できる助成金・補助金制度は複数あります。まず制度の全体像を把握することが重要です。
主な支援制度一覧
| 制度名 | 所管 | 主な内容 | 最大支給額 |
|---|---|---|---|
| 両立支援等助成金(女性活躍加速化コース) | 厚生労働省 | 数値目標達成への支援 | 100万円 |
| 両立支援等助成金(育児休業等支援コース) | 厚生労働省 | 育休取得促進 | 最大140万円 |
| キャリアアップ助成金(女性活躍推進枠) | 厚生労働省 | 非正規女性の正社員転換 | 80万円/人 |
| 人材確保等支援助成金(雇用管理制度コース) | 厚生労働省 | 雇用管理制度整備 | 最大150万円 |
| えるぼし認定取得支援(一部自治体) | 各自治体 | 認定取得費用補助 | 自治体により異なる |
両立支援等助成金・女性活躍加速化コース
制度の概要
「女性活躍推進法」に基づき一般事業主行動計画を策定した企業が、計画に基づく取り組みを実施し、数値目標を達成した場合に支給される助成金です。
支給額
| 区分 | 支給額 |
|---|---|
| 取り組み助成 | 20万円 |
| 目標達成助成 | 80万円(都道府県労働局長認定の場合100万円) |
合計で最大100万円の支給を受けられます。
申請の流れ
- 1. 行動計画の策定・公表(女性活躍推進法に基づく)
- 2. 行動計画の届出(管轄の都道府県労働局へ)
- 3. 取り組みの実施(行動計画に定めた取り組みを実施)
- 4. 取り組み助成の申請(取り組み実施後速やかに)
- 5. 数値目標の達成確認
- 6. 目標達成助成の申請(目標達成後速やかに)
数値目標の例
| 目標の例 | 具体的な数値例 |
|---|---|
| 女性管理職比率の向上 | ○%以上(現状+5%など) |
| 女性の採用比率向上 | 全採用に占める女性比率○%以上 |
| 男女の賃金差異の改善 | 男性賃金に対する女性賃金比率○%以上 |
| 残業時間の削減 | 月平均残業時間○時間以下 |
えるぼし認定とは?認定のメリットと取得方法
えるぼし認定の概要
「えるぼし認定」は、女性活躍推進法に基づき、女性の活躍推進に関する状況が優良な企業を厚生労働大臣が認定する制度です。認定ランクは1〜3段階(プラチナえるぼしを含めると最大4段階)あります。
認定基準と評価項目
えるぼし認定は以下の5項目で評価されます。
| 評価項目 | 内容 |
|---|---|
| 採用 | 女性の採用比率(産業平均以上または直近3年平均以上) |
| 継続就業 | 女性の平均継続勤務年数(産業平均以上または直近実績) |
| 労働時間等の働き方 | 法定時間外労働・有給休暇取得率の水準 |
| 管理職比率 | 女性管理職比率(産業平均以上または直近実績) |
| 多様なキャリアコース | 非正規→正規転換・再就職制度等の有無と利用実績 |
達成した項目数によって認定ランクが決まります。
| 認定ランク | 達成項目数 |
|---|---|
| えるぼし1段階目 | 1〜2項目 |
| えるぼし2段階目 | 3〜4項目 |
| えるぼし3段階目 | 5項目全て |
| プラチナえるぼし | さらに高い水準を達成 |
えるぼし認定のメリット
| メリット | 詳細 |
|---|---|
| 公共調達での優遇 | 国や自治体の入札で加点評価 |
| 助成金加算 | 両立支援等助成金等で加算あり |
| 採用力の向上 | 求職者へのアピールポイント |
| 企業イメージ向上 | えるぼしマークの使用許可 |
| 融資優遇 | 一部金融機関で金利優遇 |
女性管理職比率を向上させる具体的な施策
助成金を受給するためには、実際に女性が活躍しやすい職場環境を整備する必要があります。以下の施策が効果的です。
施策1:メンター制度の導入
女性社員のキャリア形成を支援するメンター制度を導入することで、昇進意欲の向上と定着率の改善が期待できます。両立支援等助成金の対象にもなります。
施策2:管理職研修の実施
女性社員を対象にしたリーダーシップ研修・管理職準備研修を実施することで、管理職候補となる人材を育成します。
施策3:短時間勤務制度の整備
育児や介護中の社員も管理職として活躍できるよう、短時間勤務の管理職制度を整備します。これにより育休後の復帰率・職位維持率が高まります。
施策4:評価制度の公正化
時間ではなく成果に基づく評価制度に見直すことで、育児・介護中の女性も公正に評価される環境を実現します。
施策5:育休取得の促進(男性含む)
男性の育休取得を促進することで、家庭内の役割分担が変わり、女性のキャリア継続がしやすくなります。男性育休取得促進は別途助成金(出生時両立支援コース)の対象にもなります。
申請に必要な書類と準備のポイント
共通で必要な書類
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 一般事業主行動計画の写し | 都道府県労働局への届出控え |
| 就業規則(賃金規程を含む) | 制度が明記されていること |
| 女性活躍推進法に基づく情報公表 | 自社ウェブサイト等での公表 |
| 労働者名簿 | 全従業員の氏名・性別・職位 |
| 賃金台帳 | 目標達成確認期間分 |
数値目標の設定で失敗しないコツ
目標は「達成できなければ助成金が支給されない」という性質上、現実的な水準に設定することが重要です。一方で、審査で評価されるためには向上幅が明確である必要があります。
現状の女性管理職比率や採用比率を正確に把握し、過去3年間のトレンドを参考に「1〜2年で確実に達成できる目標」を設定することをお勧めします。
女性活躍推進と他の助成金の組み合わせ戦略
| 組み合わせ | 効果 |
|---|---|
| 女性活躍加速化コース × キャリアアップ助成金 | 非正規女性の正社員化 + 数値目標達成でダブル受給 |
| 女性活躍加速化コース × 出生時両立支援コース | 男性育休取得促進 + 女性活躍数値目標達成 |
| えるぼし認定 × 人材確保等支援助成金 | 認定取得 + 制度整備費用も助成 |
複数の助成金を組み合わせることで、年間数百万円規模の助成を受けながら女性活躍推進を実現している企業も多くあります。
えるぼし認定の取得費用はいくらかかる?
えるぼし認定そのものへの申請は、都道府県労働局への提出であり行政手数料はかかりません。ただし、認定基準を満たすための社内制度整備や一般事業主行動計画の策定・公表には一定のコストが発生します。
| 費用項目 | 目安金額 |
|---|---|
| 労働局への申請手数料 | 0円(無料) |
| 就業規則改定・労務管理制度の整備 | 10万円〜50万円 |
| 社労士への行動計画策定・申請代行費用 | 5万円〜20万円 |
| 行動計画の公表用ページ整備 | 0円〜5万円 |
| 合計目安 | 15万円〜75万円程度 |
自社のみで書類を整備すれば費用を抑えられますが、評価項目の算定方法を誤ると差し戻しの原因になります。社会保険労務士等の専門家に依頼する企業が多いのは、結果的に取得までの期間短縮につながるためです。
えるぼし認定で不認定になりやすいケース
えるぼし認定は書類を提出すれば必ず取得できるわけではありません。以下のようなケースでは不認定・保留となることがあるため注意が必要です。
- 女性の採用比率・平均継続勤務年数などの数値実績が産業平均や自社の過去実績を下回っている
- 一般事業主行動計画を策定していない、または公表していない
- 労働基準法・雇用機会均等法等の重大な違反歴が直近にある
- 数値目標は達成しているが、算定方法や集計期間の記載ミスで書類不備として差し戻される
- 直近で36協定違反や労働基準監督署からの是正勧告を受けている
特に多いのが「数値の集計期間の誤り」や「行動計画の未公表」といった手続き面のミスです。申請前に社会保険労務士等の第三者にチェックしてもらうことで、差し戻しによる遅延を防げます。
よくある質問(FAQ)
Q1. えるぼし認定を取得しないと女性活躍推進の助成金は受けられませんか?
A. いいえ。両立支援等助成金の女性活躍加速化コースなど、えるぼし認定がなくても申請できる制度はあります。ただし加算措置の対象になるコースが多いため、認定を取得済みの方が総受給額は大きくなる傾向があります。
Q2. えるぼし認定の申請から認定までどのくらいの期間がかかりますか?
A. 都道府県労働局への申請から認定通知まで、目安として2〜3ヶ月程度です。書類不備があるとさらに延びるため、余裕を持ったスケジュールで準備することをおすすめします。
Q3. 中小企業でもえるぼし認定は取得できますか?
A. はい。評価基準は産業平均や自社の直近実績との比較で判定されるため、企業規模に関わらず取得可能です。従業員数が少ない企業ほど数値目標を達成しやすいケースもあります。
Q4. 女性活躍推進助成金は他の助成金と併用できますか?
A. 制度によります。両立支援等助成金の複数コースを同時に活用したり、キャリアアップ助成金など雇用系の助成金と組み合わせられるケースもあります。併用可否は制度ごとに個別確認が必要です。
Q5. 申請手続きが不安な場合はどこに相談すればよいですか?
A. 社会保険労務士や助成金専門のコンサルティング会社に相談することで、対象制度の選定から書類作成、行動計画の策定まで一括してサポートを受けられます。
まとめ|助成金活用はTrue Partnersにお任せください
女性活躍推進に取り組む企業は、えるぼし認定の取得や各種助成金の活用によって、採用力・企業イメージの向上と資金面のサポートを同時に実現できます。2026年度も両立支援等助成金を中心に最大100万円以上の助成が受けられる制度が整備されています。数値目標の設定から申請書類の準備まで、専門家のサポートを活用することで、確実に助成金を受給しながら女性活躍推進を進めることができます。
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