勤務間インターバル導入コースの交付申請は2026年11月30日(月)17:00まで。助成率は3/4(条件により4/5)、労働者の1/2超に新規導入なら上限100万円・150万円。加算の条件、対象事業主の要件、申請の流れと必要書類を解説。
勤務間インターバル導入コースとは|制度の目的と対象事業者
勤務間インターバル制度とは、1日の勤務終了後、翌日の始業までの間に一定時間以上の休息(インターバル)を確保する仕組みです。長時間労働による健康障害を防ぎ、生活時間や睡眠時間を確保することを目的に、労働時間等設定改善法でも努力義務として位置づけられています。
働き方改革推進支援助成金の勤務間インターバル導入コースは、この制度を新たに導入する、または既存の対象労働者数を拡大する中小企業事業主を支援するものです。対象となるのはおおむね以下のような事業者です。
- 中小企業事業主であること(業種ごとの資本金・従業員数基準を満たす)
- 交付申請時点で「9時間以上」のインターバルを導入する対象労働者がいない、または一部の労働者にしか適用されていないこと
- 労働者災害補償保険の適用事業主であること
- 36協定を締結しており、原則として過去2年間に月45時間を超える時間外労働の実態があること
- 年次有給休暇管理簿や就業規則等を整備し、賃金台帳・出勤簿など労務管理の基礎書類を整備していること
対象となる取り組みには、就業規則・労使協定の作成や変更、労務管理用ソフトウェアの導入、労務管理用機器(タイムカードや勤怠管理システムなど)の導入、外部専門家によるコンサルティング、労働能率の増進に資する設備・機器の導入などが含まれます。単に規程を作るだけでなく、実際に休息時間の確保につながる具体的な取り組みが求められる点が特徴です。
支給要件|インターバル時間数と対象労働者数の考え方
支給を受けるためには、交付申請時に設定した「成果目標」を達成する必要があります。成果目標は主に以下の観点で設定されます。
- 新規導入型:これまで勤務間インターバルを導入していなかった事業場で、新たに9時間以上(制度によっては11時間以上の区分もある)のインターバルを導入し、対象労働者数を一定割合以上に拡大する
- 適用拡大型:既に一部の労働者にのみ適用していたインターバル制度を、対象労働者数を増やす形で拡大する
- 時間延長型:既存のインターバル時間数をさらに延長する
いずれの場合も、就業規則等の規程整備と、実際の運用開始が必須です。規程を作っただけで運用実態が伴わない場合は、支給申請時の確認で不支給となるおそれがあります。また、以下のような事業者は対象外または減額対象となることがあるため注意が必要です。
- 支給申請日の前日から起算して過去1年以内に事業所内で発生した重大な労働災害を原因として送検されている事業者
- 解雇(勧奨退職を含む)を最近行っている事業者(一定期間の会社都合退職がある場合、対象労働者に含められないなどの制限)
- 労働保険料を滞納している事業者
これらの不支給要件は年度によって細部が変わることがあるため、交付申請前に必ず最新のパンフレットで確認することが欠かせません。
支給額の目安|成果目標の達成度と対象経費
支給額は「対象経費の合計額×補助率」と「成果目標の達成状況に応じた上限額」のいずれか低い方が基準になります。対象経費には、就業規則等の作成・変更に要した専門家への委託費、労務管理用ソフトウェアやソフトウェアライセンスの費用、労務管理用機器の導入費用、研修費用などが含まれます。
以下は令和8年度の水準です(出典:厚生労働省「令和8年度 雇用・労働分野の助成金のご案内(簡略版)」、令和8年4月8日時点)。上限額・助成率は年度ごとに改定されるため、申請前に必ず最新の交付要綱で確認してください。
| インターバル時間数(支給額早見表) | 助成率 | 上限額 |
|---|---|---|
| 9時間以上11時間未満(労働者の1/2超に新規導入する場合) | 3/4(事業規模30名以下で、労働能率の増進に資する設備・機器等の経費が30万円超の場合は4/5) | 100万円(労働者の1/4超1/2以下に適用する場合は50万円) |
| 11時間以上(労働者の1/2超に新規導入する場合) | 3/4(事業規模30名以下で、労働能率の増進に資する設備・機器等の経費が30万円超の場合は4/5) | 150万円(労働者の1/4超1/2以下に適用する場合は75万円) |
| 加算(上限額への加算) | ― | 賃金引上げ加算(3%・5%・7%以上の引上げ。30人超は最大360万円、10〜30人は2倍の最大720万円、10人未満は2.5倍)と、割増賃金率引上げ加算(25万円または75万円)。規模・引上げ率などの要件を満たした場合のみで、加算を含めた合計の最大は970万円 |
助成率は原則3/4ですが、事業規模30名以下の事業者が労働能率の増進に資する設備・機器等の経費(30万円超)を対象に含める場合は4/5に引き上げられます。加算の要件や成果目標未達成時の取扱いなど細かい条件は最新の交付要綱で確認し、社労士やコンサルタントに確認しながら進めるのが安全です。
申請の流れ|交付申請から支給申請までのステップ
働き方改革推進支援助成金は、他の雇用関係助成金と異なり「交付申請」と「支給申請」の2段階で手続きが進む点が特徴です。おおまかな時系列は以下の通りです。
| ステップ | 時期の目安 | やること | 提出先 |
|---|---|---|---|
| STEP1 事前準備 | 交付申請の1〜2ヶ月前 | 現状の労働時間・休息時間の把握、成果目標の検討、対象経費の見積取得 | 社内 |
| STEP2 交付申請 | 2026年11月30日(月)17:00まで(予算の制約で期限前に締め切られる場合あり) | 交付申請書・事業実施計画・見積書等を提出 | 都道府県労働局(委託先の事務局宛が指定される場合あり) |
| STEP3 交付決定 | 交付申請後、審査を経て(期間は申請状況による) | 交付決定通知の受領。決定前に契約・発注した経費は対象外になる場合があるため要注意 | - |
| STEP4 取り組みの実施 | 交付決定後〜事業実施期間内 | 就業規則の整備・機器導入・研修等を実施し、インターバル制度の運用を開始 | 社内 |
| STEP5 支給申請 | 事業実施期間終了日から30日後または2027年2月5日(金)のいずれか早い日まで(事業実施は2027年1月31日(日)まで) | 支給申請書・実施内容の証拠書類・成果目標の達成状況を提出 | 都道府県労働局(委託先事務局) |
| STEP6 支給決定・入金 | 支給申請後、審査を経て(期間は申請状況による) | 審査を経て支給決定通知、入金 | - |
特に注意したいのが「交付決定前に発注・契約した経費は対象外になり得る」という点です。見積もりの段階で慌てて発注してしまうと、助成対象から外れてしまうケースがあるため、STEP2〜STEP3の順序を必ず守る必要があります。
必要書類と申請時に準備するもの
交付申請・支給申請それぞれで求められる書類は年度により細部が異なりますが、共通して準備が必要になりやすいものは以下の通りです。
- 就業規則(変更前・変更後の両方)、または労働時間等設定改善委員会等の議事録
- 賃金台帳・出勤簿(対象労働者の労働時間・休息時間が確認できるもの)
- 労働保険の成立を確認できる書類(労働保険番号)
- 対象経費の見積書・契約書・請求書・領収書・支払いを確認できる通帳の写しなど
- 事業実施計画書(取り組み内容・スケジュール・成果目標を記載)
- 労働者名簿、36協定届の写し
これらの書類は、申請の準備段階から日頃の労務管理を通じて整備しておく必要があります。特に賃金台帳や出勤簿は日常的に正確な記録が求められるため、勤怠管理システムの導入を機に記録の正確性を高めておくと、後の支給申請がスムーズになります。
他コースとの違い|働き方改革推進支援助成金の全体像の中での位置づけ
働き方改革推進支援助成金には、勤務間インターバル導入コースのほかにも、業種別課題対応コース、労働時間短縮・年休促進支援コース、取引環境改善コース(令和8年度新設)、団体推進コースがあり、令和8年度は計5コースが用意されています。いずれも「労働時間の見直し」という共通テーマを持ちますが、狙いとする成果が異なります。
- 労働時間短縮・年休促進支援コース:時間外労働の削減や年次有給休暇の取得促進を主な成果目標とする
- 業種別課題対応コース・取引環境改善コース・団体推進コース:特定業種の長時間労働、運送事業者の荷待ち・荷役時間の短縮、事業主団体による改善事業など、それぞれの対象に応じた取り組みを支援する
- 勤務間インターバル導入コース:終業から始業までの休息時間の確保を主な成果目標とする
自社の課題が「長時間労働そのものの削減」なのか、「休息時間の確保」なのか、「特定業種や取引先を含む課題への対応」なのかによって、選ぶべきコースは変わります。複数の課題を抱えている場合でも、同じ取り組みを複数コースで同時に申請できるかは最新の交付要綱で確認したうえで、優先順位をつけて計画を立てることが重要です。特に勤務間インターバルは、深夜勤務やシフト制が多い業種(運送業・医療福祉・宿泊業など)で導入ニーズが高い一方、就業規則の変更が労使双方に与える影響も大きいため、導入前に労働者代表への説明や意見聴取のプロセスを丁寧に行うことが、制度の定着と支給申請の両面で有利に働きます。
FAQ|勤務間インターバル導入コースのよくある質問
Q1. すでに勤務間インターバル制度を一部導入している場合でも申請できますか。
A. 対象労働者数を拡大する「適用拡大型」や、インターバル時間数を延長する「時間延長型」であれば対象となる可能性があります。ただし現状の適用範囲や時間数によって成果目標の設定方法が変わるため、事前に労働局や社労士へ確認することをおすすめします。
Q2. 交付決定前に見積もりだけ取っておくのは問題ありませんか。
A. 見積もりの取得自体は問題ありませんが、発注・契約・支払いは交付決定後に行う必要があります。交付決定前に契約してしまうと対象経費から除外される可能性が高いため注意してください。
Q3. 中小企業の定義に当てはまるか自分で判断できません。
A. 業種ごとに資本金または従業員数のいずれかの基準を満たせば中小企業に該当します。業種区分の判定が難しいケースもあるため、公表されているパンフレットの判定表で確認するか、専門家に相談すると確実です。
Q4. 支給申請の期限を過ぎてしまった場合はどうなりますか。
A. 原則として期限を過ぎると受理されず、不支給となる可能性が高い制度です。事業実施期間や提出期限は交付決定通知に明記されているため、社内でスケジュール管理を徹底することが重要です。
Q5. 何時間のインターバルから助成の対象になりますか。
A. 9時間以上のインターバルを導入することが対象の目安です。令和8年度は、労働者の1/2超に新規導入する場合、9時間以上11時間未満で上限100万円、11時間以上で上限150万円となります(労働者の1/4超1/2以下に適用する場合は50万円・75万円)。どの区分で成果目標を設定するかは、現状の勤務実態をもとに交付申請の前に決めておきます。
Q6. 賃上げ加算とは何ですか。
A. 賃金の引上げ(3%・5%・7%以上)に取り組んだ場合の賃金引上げ加算(30人超は最大360万円、10〜30人は2倍の最大720万円、10人未満は2.5倍)と、割増賃金率引上げ加算(25万円または75万円)の2種類があり、上限額へ加算されます。720万円は規模・引上げ率の条件を満たした場合の最大値で、一律に加算されるものではありません。対象となる要件や加算額の算定方法は最新の交付要綱で確認してください。
まとめ|助成金・補助金の申請はTrue Partnersに相談を
勤務間インターバル導入コースは、就業規則の整備と労務管理機器の導入をセットで行うことで、労働時間短縮の取り組みにかかった費用の一部を国から助成してもらえる制度です。交付決定前の発注は対象外になる、成果目標を達成できないと減額・不支給になるなど、手順を誤ると受給できなくなるリスクもあります。申請書類の作成や成果目標の設計に不安がある場合は、専門家への相談も有効な選択肢です。
| プラン | 月額 | 申請代行手数料 | 保証 |
|---|---|---|---|
| ライト | 10,000円 | 受給額の25% | - |
| スタンダード(人気プラン) | 33,000円 | 受給額の15% | - |
| プレミアム(イチオシ) | 55,000円 | 受給額の15% | 受給額保証※ |
| エンタープライズ | 100,000円〜(税別) | 個別契約による | 個別契約による |
※プレミアムプランは年間の受給額が60万円に満たない場合、その差額を返金する「受給額保証」付き(税別・着手金0円)
- 年間平均受給額640万円/最大実績7,200万円/受給率98.8%※
- ※受給率98.8%は要件を満たしている場合の実績値
📞 03-6271-8714(受付 10:30〜20:00)
関連記事


