助成金は1年に何人分まで申請できる?【2026年版】|正社員化コースは1事業所20人が上限

助成金は1年に何人分まで申請できる?【2026年版】 申請手続き・税務ガイド

結論から言うと、キャリアアップ助成金の正社員化コースは、1年度(4月から翌年3月まで)につき1事業所あたり20人までが支給の上限になっている。21人目以降は、たとえ要件を満たしていても同じ年度内には支給されない。ただし、これは正社員化コースの話であり、助成金全体に共通するルールではない。制度ごとに「人数」「回数」「金額」のどれで上限を設けるかが異なるため、複数の制度を使う場合は、それぞれの支給要領を確認したうえで年間の計画を組む必要がある。

この記事では、正社員化コースの「20人」という上限の意味を中心に、他の制度に見られる上限の考え方と、複数年度に分けて計画する方法をまとめる。金額や人数は年度ごとに改正されることがあるため、最終的には厚生労働省や都道府県労働局の最新の支給要領で確認してほしい。

この記事でわかること

  • キャリアアップ助成金の正社員化コースで「1年度1事業所20人」の上限がどう数えられるか
  • 上限を超えそうなときに、転換の時期をどう調整すればよいか
  • 他の助成金にもある人数・回数・金額の上限の種類
  • 複数年度に分けて計画する考え方と、年間スケジュールの立て方

正社員化コースの上限は「1年度1事業所あたり20人」

キャリアアップ助成金の正社員化コースは、有期雇用労働者や無期雇用労働者を正社員へ転換した事業主に支給される制度である。支給額が比較的大きいため、人数の多い会社ほど総額も膨らみやすい。その一方で、国は1つの事業所が1年度に受け取れる人数に上限を設けており、それが20人である。制度全体の仕組みはキャリアアップ助成金とは?全コースの支給額と要件を一覧で解説した記事にまとまっているので、初めての方は先に目を通しておくと理解しやすい。

ここで押さえておきたい点は次の3つだ。

  • 上限は「1事業所」単位で数える。同じ会社でも事業所が複数あれば、事業所ごとに20人まで申請できる
  • 数える期間は「1年度」である。暦年(1月から12月)ではなく、4月から翌年3月までの年度で数える
  • 数える対象は「支給申請をした人数」である。転換した日ではなく、支給申請を行った年度で数えるのが基本となる

特に3つ目は誤解されやすい。たとえば3月に転換した従業員の支給申請は、6ヶ月分の賃金を支払った後になるため、多くの場合は翌年度に回る。つまり、転換した年度と、人数にカウントされる年度がずれることがある。

上限20人の数え方を表で確認する

項目 内容
上限の単位 1年度につき1事業所あたり
上限の人数 20人
数える期間 4月から翌年3月までの1年度
カウントされる時点 支給申請を行った年度が基本
事業所が複数ある場合 事業所ごとに別枠で数える
21人目以降 同じ年度内には支給されない

数え方の細部は、年度の途中で要領が改正されることもあるため、申請の前に労働局のパンフレットや支給要領で確認しておくと安心である。

20人を超えそうなときの考え方

正社員化を積極的に進めている会社では、「今年度は25人を転換したい」という状況も起こりうる。その場合、21人目以降を無理に同じ年度で申請しようとするのではなく、次の年度に回す発想が基本になる。

転換の時期を前後にずらす

転換日そのものを年度またぎに調整するのが、最も現実的な方法である。たとえば、正社員化の予定者が25人いるなら、20人を今年度の申請分に、残りの5人を翌年度の申請分にする形にできる。ただし、助成金のためだけに転換時期を大きくずらすと、本人の処遇や就業規則の運用との整合が取れなくなるおそれがある。人事上の都合と助成金の都合のバランスを考えながら決めたい。

優先順位をつけて申請する

人数が多い場合は、支給額が大きい対象者から優先する考え方もある。正社員化コースは、転換前の雇用区分や、会社の規模、重点支援対象者に当たるかどうかなどで支給額が変わる。具体的な金額は年度ごとに見直されるため、最新の支給要領で確認する必要がある。

転換の前に済ませる手続きを忘れない

人数の枠が余っていても、事前の手続きを欠くと支給されない。正社員化コースでは、転換の前にキャリアアップ計画書を提出し、就業規則などに正社員への転換制度を定めておく必要がある。事前届出を忘れた場合の扱いは、助成金の計画届を出し忘れたらどうなるかを解説した記事で詳しく整理している。

他の助成金にある「人数・回数・金額」の上限

「1年に何人分まで」という疑問は、正社員化コースに限らず、助成金全般で生じる。ただし、上限の種類は制度ごとに異なる。大きく分けると次の3タイプがある。

上限のタイプ 内容の例 確認すべき点
人数で制限 1年度1事業所あたり何人まで 数える期間と単位(事業所か事業主か)
回数で制限 1事業主につき1回限り、1年度に何回までなど 同じ制度の再申請の可否、再度の対象になるまでの期間
金額で制限 1事業場あたりの上限額、1年度の合計上限 上限額の改定時期、コースごとの区分

人数で制限されるタイプ

正社員化コースのほか、同じキャリアアップ助成金の賃金規定等改定コースにも、1年度1事業所あたりの人数上限が設けられている。人数の具体値は年度や改正で変わりうるため、記事の数字をそのまま使わず、最新の支給要領で確認してほしい。コースごとの違いは、キャリアアップ助成金の全コース比較の記事が役に立つ。

回数で制限されるタイプ

制度を導入した会社に支給するタイプの助成金では、同じ制度の導入に対して支給されるのは1回限りになるのが一般的である。たとえば賞与や退職金の制度を新しく設けるコースは、同じ制度を何度も作れないという性質上、回数で制限されやすい。繰り返し使える制度か、1回限りの制度かを、申請の前に必ず確認しておきたい。

金額で制限されるタイプ

業務改善助成金のように、設備投資の費用に対して助成する制度は、人数ではなく金額で上限が決まる。賃上げの対象人数や引き上げ額に応じて上限額が区分されるため、「何人まで」ではなく「いくらまで」を意識する必要がある。この種の制度は、支給要領の最新版で上限額の表を確認することが大前提になる。

上記のタイプ別の具体値は、年度ごとの改正や特例で変わることがある。断定できない部分は「支給要領で確認」とし、ここでは考え方の整理にとどめる。

複数年度に分けて計画するという発想

助成金の上限を意識するときに重要なのは、「今年度ですべてを受け取ろうとしない」ことである。

年度単位の計画表をつくる

次のように、年度ごとに誰を、いつ転換し、いつ支給申請をするかを一覧にしておくと、上限を超えるリスクを避けられる。

年度 転換予定の人数 支給申請予定の人数 備考
今年度 20人 15人(残りは翌年度) 年度末に転換した人は翌年度申請
来年度 10人 15人 前年度末転換分と合わせて20人以内に収める
再来年度 5人 5人 余裕のある年度として予備枠に

このように、転換した人数と申請する人数は、年度によって一致しない。むしろ、年度末の転換者が翌年度の申請枠を使うことを織り込んで、前もって枠を配分しておくのがコツである。

年度末の転換は翌年度の枠を使う

3月転換のように、年度末に近い転換は、賃金の6ヶ月分を支払ってから申請するため、実際の申請は翌年度になる。前年度に20人を使い切っているつもりでも、翌年度の枠から数えられる人が出てくる点に注意したい。

採用計画と合わせて組む

助成金は、人事計画と切り離さずに考えるのが基本である。「新卒採用」「契約社員から正社員への登用」「パートの正社員化」を、年間でどう配置するかによって、利用できる制度の組み合わせと上限の余裕が決まる。計画は半年単位で見直すと、法改正や要領の変更にも対応しやすい。

上限以外に確認しておきたい注意点

人数の上限に気を取られがちだが、支給されない原因は他にもある。

  • 転換前にキャリアアップ計画書を出していない
  • 就業規則に転換制度の規定がない、または規定どおりに運用していない
  • 転換後6ヶ月の賃金が、転換前の6ヶ月より3%以上増えていない(要件は年度ごとに確認)
  • 賃金台帳や出勤簿などの書類がそろっていない
  • 申請期間を過ぎてしまった

申請期限の考え方は、助成金の申請期限を過ぎたらどうなるかの記事で、制度別に解説している。なお、転換した従業員が早期に退職した場合の返還リスクも別途ある。キャリアアップ助成金の対象者が退職したらどうなるかの記事もあわせて確認しておきたい。

専門家に依頼するという選択肢

人数や回数の上限、年度またぎの数え方、事前届出のタイミングは、助成金の中でも間違えやすい部分である。自社の人事計画に合わせて「どの制度をどの年度に使うか」を設計するのは、慣れていないと手間がかかる。社会保険労務士や、助成金を専門に扱うコンサルティング会社に依頼すれば、年間の受給計画の設計から書類作成まで任せられる。True Partners(トゥルーパートナーズ)のように、制度を横断して提案するサービスもあるため、自社で運用する場合と比較して選ぶとよい。

FAQ|助成金の人数上限についてよくある質問

Q1. 事業所が複数ある場合、会社全体で20人までですか?

A. 正社員化コースの上限は、事業所単位で数えるのが基本である。ただし、事業所の扱い方(雇用保険の適用事業所単位など)は要領に定めがあるため、自社の事業所が1つとして数えられるかを確認してほしい。

Q2. 20人を超えた分は、翌年度に申請できますか?

A. 翌年度の枠に収まる範囲であれば、要件を満たしている限り申請できる可能性がある。ただし、支給申請の期間には期限があるため、期限を過ぎていないかが前提となる。個別の事情は労働局に確認するのが確実である。

Q3. 他のコースと合わせて人数に数えられますか?

A. コースごとに別々に上限が設けられていることが多い。ただし、同じ対象者に複数のコースを重ねて使えるかは、制度ごとの併給調整のルールに左右される。支給要領で確認してほしい。

Q4. 上限は毎年変わりますか?

A. 人数や金額は、法改正や予算の都合で見直されることがある。必ず申請する年度の最新の支給要領で確認してほしい。

まとめ|助成金・補助金の申請はTrue Partnersに相談を

キャリアアップ助成金の正社員化コースには、1年度1事業所あたり20人までという上限がある。他の制度にも人数・回数・金額の上限があり、具体値は支給要領で確認する必要がある。複数年度に分けて計画を組むことで、上限に当たらずに受給しやすくなる。

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