タイムカードがない会社でも助成金はもらえる?【2026年版】|手書きの出勤簿・自己申告の扱い

タイムカードがない会社でも助成金はもらえる?【2026年版】 未分類

結論から言うと、タイムカードがなくても助成金を受給できる可能性は十分にある。助成金の審査で求められるのは「タイムカードという物」ではなく、「いつ・誰が・何時間働いたかを、賃金台帳や労働条件通知書と矛盾なく説明できる記録」である。手書きの出勤簿や勤怠管理表でも、記載内容が実態と一致し、賃金の支払い記録とつながっていれば認められる場面は多い。一方で、記録そのものがない、あるいは記録同士が食い違っている場合は、不支給や返還の原因になりやすい。この記事では、タイムカードなしで申請するときの考え方を整理する。

結論:助成金に必要なのは「タイムカード」ではなく「整合した勤怠記録」

雇用関係助成金の申請では、労働者名簿、雇用契約書(労働条件通知書)、就業規則、賃金台帳、出勤簿(勤怠記録)といった書類をそろえ、それらの内容が互いに一致していることが確認される。タイムカードはその勤怠記録の一形態にすぎず、使わなければならないという決まりが助成金側にあるわけではない。

審査担当者が見ているのは、次のような点である。

  • 対象の労働者が、申請の前提となる期間に実際に雇用され、働いていたか
  • 出勤簿に書かれた出勤日・労働時間が、賃金台帳の支給内容と食い違っていないか
  • 労働条件通知書に書かれた所定労働時間と、実際の勤務が大きくかけ離れていないか
  • 時間外労働や休日労働があった場合、割増賃金が適切に支払われているか

つまり「タイムカードがあるか」ではなく「記録が実態を正しく表しているか」が本質である。タイムカードがない会社は、それに代わる記録をどれだけ丁寧に整えられるかが分かれ目になる。

手書きの出勤簿・自己申告・勤怠アプリは助成金で認められるのか

勤怠の記録方法には複数の選択肢があり、それぞれで信頼性の見られ方が異なる。以下は一般的な傾向であり、最終的な判断は制度ごとの支給要領と管轄労働局の運用による点に注意したい。

記録方法 認められやすさの目安 押さえておきたい点
タイムカード・ICカード 高い 客観的な記録として最も説明しやすい
勤怠管理システム・アプリ 高い 打刻データを出力して保存しておけば十分に説明可能
手書きの出勤簿(毎日記入) 中〜高 日々の記入・本人確認の痕跡があり、賃金台帳と一致していれば説明しやすい
月末にまとめて作成した出勤簿 低め 後付けと見られやすく、実態との整合を厳しく確認される可能性
自己申告のみ(メモ・口頭) 低い 客観性が弱く、補足資料がないと説明が難しい

労働時間の把握については、厚生労働省が「客観的な方法その他適切な方法」で行うよう示しており、原則はタイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録などが挙げられる。やむを得ず自己申告で把握する場合は、適正な申告を促す措置をとることが求められる、というのが基本的な整理である。助成金の審査もこうした労務管理の考え方の延長線上にあるため、自己申告に頼る場合ほど、賃金台帳との整合や補足の記録が重要になる。

出勤簿と賃金台帳の整合がなぜ重視されるのか

助成金の審査で最も指摘を受けやすいのは、勤怠記録そのものの形式よりも、書類同士の食い違いである。たとえば次のようなずれが典型例だ。

  • 出勤簿では週5日勤務なのに、賃金台帳の出勤日数は週4日で計算されている
  • 労働条件通知書は所定労働時間が1日8時間なのに、出勤簿は毎日7時間で記録されている
  • 時間外労働が記録されているのに、賃金台帳に割増賃金が反映されていない
  • 対象者の出勤簿だけ他の従業員と記入のしかたが違い、後から作ったように見える

賃金台帳は、労働基準法で賃金支払いの都度、労働日数、労働時間数、時間外労働時間数などを記入するよう定められている法定書類である。つまり、賃金台帳に労働時間数を記載している会社は、その元になる勤怠記録を本来持っていなければならない。賃金台帳と出勤簿の作り方については、助成金申請に必要な「賃金台帳・出勤簿」整備ガイド【2026年版】|審査で落とされないための正しい作成方法で詳しく整理している。

タイムカードがない会社が今日から整えるべき5つのポイント

これから申請を考えている会社は、次の順で記録を整えると審査で説明しやすくなる。

  1. 1. 日々記録する仕組みにする:出勤簿は毎日、本人または管理者が出退勤時刻を記入する。月末のまとめ書きは避ける
  2. 2. 記入の痕跡を残す:本人の署名・押印、管理者の確認印など、後から作成していないと分かる形にする
  3. 3. 賃金台帳と突き合わせる:毎月の給与計算の際に、出勤簿の日数・時間が賃金台帳に正しく反映されているか確認する
  4. 4. 労働条件通知書の内容と実態を合わせる:所定労働時間・休憩・休日が実態とずれていれば、通知書か運用のどちらかを直す
  5. 5. 保存場所を決める:紙の出勤簿はファイリングし、電子データはバックアップを取る。助成金関係の書類は原則として一定年数の保存が求められるため、期間は各制度の支給要領で確認する

すでに過去分の記録が不十分な場合、後から作り直した出勤簿を「当時のもの」として提出することは避けるべきである。事実と異なる書類の提出は不正受給に該当するおそれがある。過去分が足りない場合は、給与振込の記録、シフト表、業務日報、メールやチャットのやり取りなど、当時の状況を裏付けられる資料を集めて説明することになる。

ケース別:タイムカードなしでの助成金申請の考え方

会社の状況によって、準備すべきことは変わる。代表的な3つのケースを整理する。

ケース 主な対応 注意点
少人数で手書きの出勤簿を使っている 記入ルールを統一し、賃金台帳との突き合わせを毎月行う 記入漏れ・空欄が多いと信頼性が下がる
シフト制の飲食・小売で勤怠が曖昧 シフト表と実績を照合し、勤怠アプリなどの導入を検討 実績と予定のシフトがずれていないか確認する
管理職・みなし労働時間制を採用 制度の適用実態と就業規則の定めを確認 制度の要件を満たしていないと、通常の労働時間管理を求められることがある

いずれのケースでも、これから申請する助成金の要件が「一定期間の雇用」や「賃金の支払い実績」を前提にしている場合が多いため、その期間中の勤怠記録が特に重要になる。制度ごとに対象となる期間や必要書類は異なるので、申請を検討する制度の最新の支給要領で確認してほしい。

就業規則や労働条件通知書がない場合はどうなるか

タイムカードがない会社では、他の労務書類も未整備であることが少なくない。助成金では就業規則の整備や労働条件通知書の交付が前提になるケースが多く、勤怠記録と合わせて土台から整える必要がある。就業規則の作成・改定が助成金の要件と関わる点については、助成金の「就業規則」作成・改定が受給の鍵!2026年版完全ガイド|助成金に必要な就業規則の要件と整備の手順も参考になる。

常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則の作成と労働基準監督署への届出が義務である。10人未満の会社でも、助成金の申請に際して就業規則の整備を求められる制度があるため、勤怠記録を整えるタイミングで一緒に見直しておくと無駄が少ない。

自己判断が難しい場合の選択肢

勤怠記録が中途半端な状態で申請に踏み切ると、審査の途中で追加資料を求められたり、最悪の場合は不支給になったりする。記録が十分かどうかの判断には、制度ごとの運用の知識が必要になる。次のような場合は、早めに社会保険労務士や助成金コンサルの無料相談で状況を確認しておくと安心である。

  • 過去の勤怠記録が不完全で、どこまで遡って説明できるか分からない
  • 手書きの出勤簿と賃金台帳の数字が合っているか自信がない
  • 複数の助成金を検討しており、共通して必要になる書類を一度に整理したい

なお、専門家に依頼するかどうかの判断材料としては、助成金は自分で申請するのは難しい?社労士に依頼すべきケースを解説【2026年版】が参考になる。

よくある質問(FAQ)

Q1. 手書きの出勤簿だけでも助成金の審査は通りますか?

A. 毎日記入されており、賃金台帳や労働条件通知書と整合していれば、認められる可能性は十分にある。ただし最終的な判断は制度ごとの支給要領と労働局の運用による。まとめて後から書いたと見られる記録は不利になりやすい。

Q2. 従業員の自己申告だけで労働時間を管理していますが問題ですか?

A. 自己申告制そのものが直ちに禁止されているわけではないが、客観的な記録が原則とされており、自己申告に頼る場合は補足の記録や実態調査が求められる。助成金の申請前に、勤怠アプリなどへの切り替えを検討することをおすすめする。

Q3. 過去の分の出勤簿がないのですが、今から作ればよいですか?

A. 当時の事実を裏付ける資料がないまま、後から「当時のもの」として作成した出勤簿を提出するのは避けるべきである。シフト表、給与振込記録、業務日報など、当時の記録で説明できる範囲を整理し、専門家に相談するのが安全である。

Q4. 勤怠アプリを新しく導入すれば、すぐ助成金の申請に使えますか?

A. 導入した日以降の記録は有効に使えるが、導入前の期間の記録は別途説明が必要になる。申請する制度が対象とする期間を確認したうえで、導入時期を決めるとよい。

まとめ|助成金・補助金の申請はTrue Partnersに相談を

タイムカードがなくても助成金は受給できる可能性があり、鍵になるのは、手書きの出勤簿や勤怠アプリなどの記録が賃金台帳・労働条件通知書と矛盾なくそろっていることである。記録が不十分な場合は、事実と異なる書類を作らず、裏付け資料で説明することが大切になる。勤怠記録の整備状況を踏まえて受給できる制度を整理したい場合は、専門家への相談も選択肢になる。

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