個人事業主が法人化すると使える助成金は変わる?【2026年版】法人成り前後の制度の違い

個人事業主が法人化すると使える助成金は変わる?【2026年版】法人成り前後の制度の違い 未分類

結論として、個人事業主と法人では利用できる助成金・補助金の範囲が一部変わります。多くの雇用系助成金は個人事業主でも法人でも従業員を雇用していれば申請可能ですが、社会保険の適用状況や資本金の概念が関わる補助金・助成金では法人化後にはじめて対象になる制度があります。逆に、個人事業主のうちにしか使えない制度や、法人化前に申請しておくべき制度も存在します。本記事では、個人事業主と法人それぞれで使える制度の違い、法人化で新たに使える制度、法人化のタイミングと申請順序について解説します。


個人事業主でも使える助成金・使えない助成金

助成金の多くは「雇用保険の適用事業所であること」を要件としており、個人事業主・法人という事業形態そのものよりも、従業員を雇用し社会保険・労働保険に加入しているかどうかが重要な判断基準になります。そのため、以下のような雇用系の助成金は個人事業主でも申請可能です。

  • キャリアアップ助成金(契約社員から正社員への転換など)
  • トライアル雇用助成金
  • 人材開発支援助成金(従業員への研修・教育訓練)
  • 両立支援等助成金(育児・介護と仕事の両立支援)

一方で、法人であることや一定の資本金・組織体制を前提とする補助金・助成金では、個人事業主は対象外、または申請できる枠が限定される場合があります。特に事業拡大・設備投資系の補助金では、法人向けの申請枠と個人事業主向けの申請枠が分かれていたり、加点項目に法人特有の指標(資本金額、従業員数の推移など)が含まれることがあります。


個人事業主と法人で使える制度の違い一覧

制度の種類 個人事業主 法人
キャリアアップ助成金 利用可能(雇用保険適用事業所であれば可) 利用可能
業務改善助成金 利用可能 利用可能
人材開発支援助成金 利用可能 利用可能
ものづくり補助金等の設備投資系補助金 申請可能だが法人向け加点項目で不利になる場合がある 資本金・組織体制を活かした加点を受けやすい
事業承継・引継ぎ補助金 制度により対象外の場合がある 対象になりやすい
一部の自治体独自助成金 自治体により対象外の場合がある 多くの自治体で対象

雇用に関する助成金は事業形態を問わず利用できるものが多い一方、設備投資・事業再構築・事業承継など「法人としての組織的な取り組み」を評価する補助金では、法人の方が有利に働く傾向があります。


法人化によって新たに使えるようになる制度

法人化(法人成り)することで、新たに対象になったり、申請上有利になったりする制度には以下のようなものがあります。

社会保険関連の助成金

個人事業主でも従業員5人以上の一部業種では社会保険の適用義務がありますが、法人化すると原則として社会保険(健康保険・厚生年金)への加入義務が発生します。社会保険の適用拡大に関連する助成金や、社会保険料の負担軽減を前提とした一部の助成金は、法人化後の方が対象になりやすい傾向があります。

資本金を要件・加点とする補助金

ものづくり補助金や事業再構築系の補助金では、資本金の規模や増資の実施状況が加点項目になっている回があります。個人事業主には資本金という概念自体がないため、法人化して資本金を設定することで、こうした加点を得られる可能性があります。

事業承継・M&A関連の補助金

事業承継・引継ぎ補助金など、法人格を前提とした制度は、法人化していないと申請要件を満たせないケースがあります。将来的に事業承継やM&Aを見据えている場合、法人化がこれらの制度の利用条件を整えることにつながります。


個人事業主のうちに申請しておくべき制度

法人化を検討している場合でも、個人事業主のタイミングでなければ使いにくい制度や、法人化前に申請しておいた方が有利な制度があります。

タイミング 申請しておくべき制度の例 理由
個人事業主時代 小規模事業者持続化補助金(個人事業主向け枠) 小規模な個人事業主を主な対象としており、法人化後より要件を満たしやすい場合がある
個人事業主時代 個人事業主の従業員向けキャリアアップ助成金 法人化のタイミングで雇用契約を結び直すと、勤続年数のカウントに影響する場合がある
法人化直前 既存の助成金計画の途中段階のもの 法人化により事業主が変わると扱われ、計画の出し直しが必要になる場合がある

特に注意したいのが、キャリアアップ助成金のように「有期雇用から正社員への転換」を要件とする制度です。法人化のタイミングで従業員との雇用契約が個人事業主から法人に切り替わると、勤続期間の通算や転換の扱いについて確認が必要になる場合があります。法人化を予定している場合は、進行中の助成金計画がある時点で、管轄の労働局やハローワークに扱いを確認しておくことが望ましいです。


法人化のタイミングと助成金申請の順序

法人化を検討する際は、以下の順序で助成金・補助金の申請を整理すると、制度の切り替えによる不利益を避けやすくなります。

ステップ1:現在申請中・申請予定の制度を洗い出す

個人事業主として現在進行中の助成金計画、申請予定の補助金をリストアップします。

ステップ2:法人化による影響を確認する

洗い出した制度ごとに、法人化すると事業主の変更として扱われるか、従業員との雇用契約の切り替えが必要になるかを確認します。

ステップ3:個人事業主のうちに完了させる制度を先に進める

勤続年数のカウントや計画の連続性に影響する制度は、可能であれば法人化前に申請・受給を完了させます。

ステップ4:法人化後に新たに使える制度を洗い出す

資本金・組織体制を活かせる補助金や、法人格を要件とする制度について、法人化後に改めて情報収集を行います。

ステップ5:専門家に法人化前後の制度移行を相談する

助成金・補助金の要件は制度ごとに細かく異なり、事業形態の変更が受給資格に与える影響も制度によって様々です。法人化を予定している段階で、社会保険労務士や助成金コンサルに相談し、申請順序を整理してもらうことで、受給できたはずの制度を取りこぼすリスクを減らせます。


よくある質問(FAQ)

Q1. 個人事業主から法人化すると、今まで受給していた助成金は返還が必要になりますか?

A. 受給が完了している助成金について、事業形態の変更のみを理由に返還を求められることは基本的にありません。ただし、受給後の継続要件(雇用の継続など)を満たす必要がある制度では、法人化に伴う雇用契約の切り替え方法によって扱いが変わる場合があるため、事前に確認することが望ましいです。

Q2. 法人化前と法人化後、どちらのタイミングで助成金の相談をすべきですか?

A. 理想的には法人化を検討し始めた段階で相談するのがよいでしょう。個人事業主のうちに完了させておくべき手続きと、法人化後に新たに使える制度を整理してから、法人化のスケジュールを決めることができます。

Q3. 個人事業主でも社会保険関連の助成金は使えますか?

A. 従業員数や業種によっては個人事業主でも社会保険の適用対象となり、関連する助成金を利用できる場合があります。ただし法人化後の方が対象範囲が広がる制度もあるため、自社の状況に応じた確認が必要です。

Q4. 法人化のタイミングで従業員との雇用契約はどうなりますか?

A. 一般的には個人事業主との雇用契約を終了し、法人と新たに雇用契約を結び直す手続きが必要です。この切り替えが、勤続年数を要件とする助成金の扱いに影響する場合があるため注意が必要です。

Q5. 法人化を機に助成金コンサルに切り替えるメリットはありますか?

A. 法人化前後で対象となる制度が変わるため、双方の制度に詳しい専門家に相談することで、個人事業主時代に取りこぼしていた制度や、法人化後に新たに使える制度を漏れなく確認できるメリットがあります。


まとめ|助成金・補助金の申請はTrue Partnersに相談を

雇用系の助成金は個人事業主でも法人でも利用できるものが多い一方、資本金や法人格を前提とする補助金は法人化後に対象が広がります。法人化を検討する際は、個人事業主のうちに完了させるべき手続きと、法人化後に新たに使える制度を整理し、申請順序を誤らないことが重要です。

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