東京都内の中小企業が使える助成金・補助金は、国が実施する制度と、東京都・東京都中小企業振興公社などが独自に実施する制度の2階建てになっている。結論として、まず国の雇用関係助成金(キャリアアップ助成金・人材確保等支援助成金等)で使える制度を確認したうえで、東京都独自の創業支援・働き方改革・DX推進系の制度を上乗せで探すのが効率的な進め方だ。本記事では、東京都で活用できる支援制度の「型」と探し方、申請の流れを整理する。個別の金額・締切は年度ごとに変わるため、2026年度の詳細は必ず東京都および実施機関の公式サイトで確認してほしい。
東京都の助成金・補助金は「国」と「都」の二階建て構造
東京都内の企業が使える公的支援は、大きく分けて次の3つの層で構成されている。
- 国の助成金:厚生労働省が所管する雇用関係助成金(キャリアアップ助成金、人材確保等支援助成金、両立支援等助成金など)。全国一律の制度で、東京都内の企業も対象になる。
- 国の補助金:経済産業省・中小企業庁が所管するIT導入補助金、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金など。
- 東京都独自の助成金・補助金:東京都および東京都中小企業振興公社、東京都しごと財団などが実施する、都内企業限定の支援制度。
多くの企業は「国の助成金だけ」で検討を終えてしまいがちだが、東京都独自の制度は国の制度と要件が異なるため、条件を満たせば併用できるケースもある。まずはこの二階建て構造を理解したうえで、自社が対象になりうる制度を両方の層から探すことが受給総額を最大化する第一歩になる。特に都内企業は情報量そのものが多い一方、自社に合う制度を選び出す作業に時間がかかりやすい点も踏まえておきたい。
東京都独自の助成金・補助金にみられる代表的な「型」
東京都・関連団体が実施してきた支援制度には、いくつかの共通した型がある。年度によって制度の名称・内容・予算は変わるが、大きな方向性としては以下のカテゴリーで整理できる。
| 支援の型 | 想定される目的 | 実施機関の例 |
|---|---|---|
| 創業・起業支援型 | 開業資金・専門家伴走支援 | 東京都中小企業振興公社(東京都創業助成金など) |
| 働き方改革・両立支援型 | 労働時間短縮・テレワーク導入・育児介護との両立 | 東京都、東京都しごと財団 |
| ダイバーシティ・女性活躍推進型 | 女性管理職登用、多様な人材の活躍推進 | 東京都(positive-action加速化事業など) |
| DX・デジタル化推進型 | ITツール導入、業務のデジタル化 | 東京都中小企業振興公社 |
| 事業承継・経営基盤強化型 | 後継者育成、経営改善計画の策定支援 | 東京都、東京都中小企業振興公社 |
いずれも実施の有無・募集時期・金額は年度予算によって変動するため、「同じ名前の制度が毎年同条件で続く」とは限らない点に注意したい。過去に募集していた制度が翌年度は募集停止・内容変更となることも珍しくない。
東京都の助成金・補助金の探し方
東京都独自の制度は国の制度に比べて情報が分散しやすく、見落とされがちだ。効率よく探すには、次のような情報源を定期的にチェックするとよい。
| 情報源 | 特徴 |
|---|---|
| 東京都産業労働局の公式サイト | 東京都が実施する助成金・補助金の一覧が掲載される |
| 東京都中小企業振興公社の公式サイト | 創業支援・DX推進・経営基盤強化系の制度が中心 |
| TOKYOはたらくネット等の都の労働情報サイト | 働き方改革・両立支援関連の制度情報 |
| 商工会議所・商工会 | 地域の中小企業向けに個別制度を案内してくれる |
| 助成金コンサルティング会社 | 国・都・区市町村の制度を横断的に整理して提案してくれる |
自社だけで都内の全制度を把握するのは工数がかかるため、商工会議所や助成金コンサルティング会社に相談し、業種・規模・実施したい施策に合わせて絞り込んでもらう方法も有効だ。
国の助成金との組み合わせ方の考え方
東京都独自の制度は、国の助成金と目的が重なることが多い。たとえば「非正規雇用労働者の正社員化」であれば国のキャリアアップ助成金が中心的な制度になるが、都内企業向けに東京都が上乗せ的な奨励金を用意している時期もある。組み合わせを検討する際の基本的な考え方は以下の通りだ。
- 1. まず国の助成金で自社が対象になる制度を洗い出す
- 2. 同じ施策(賃上げ・正社員化・DX化等)に対して東京都独自の制度が存在しないか確認する
- 3. 併給禁止・重複助成の制限がないか、各制度の公募要領を必ず確認する
- 4. 申請時期・締切がずれている場合は、スケジュールを整理してから申請順序を決める
国と都の制度は管轄も申請窓口も異なるため、同時に情報収集すると混乱しやすい。担当者を分けるか、外部の専門家に一括で整理してもらうと申請漏れを防ぎやすい。特に決算期や事業年度の切り替えタイミングでは、複数制度の申請時期が重なりやすいため、年間スケジュールをあらかじめ整理しておくと後手に回りにくい。
申請までの基本的な流れ
東京都独自の助成金・補助金は制度ごとに手続きが異なるが、おおまかな流れは共通している。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| STEP1 制度の把握 | 東京都・中小企業振興公社等の公式サイトで最新の募集情報を確認 |
| STEP2 要件確認 | 対象業種・従業員規模・実施したい施策が要件に合致するか確認 |
| STEP3 事業計画・申請書類の作成 | 制度によっては事業計画書・見積書等の提出が必要 |
| STEP4 申請・審査 | 公募期間内に申請、審査を経て採択・交付決定 |
| STEP5 事業実施・実績報告 | 交付決定後に事業を実施し、完了後に実績報告を行う |
補助金型の制度では「交付決定前に着手した経費は対象外」となるケースが多いため、申請前に発注や契約を進めてしまわないよう注意が必要だ。
業種・規模別にみる活用イメージ
東京都内の企業が実際に制度を検討する際は、業種や事業フェーズによって重視すべき制度の型が変わってくる。以下はあくまで一般的な傾向であり、実際に使える制度は年度の公募内容によって異なる。
| 事業フェーズ・業種 | 重視されやすい支援の型 | 補足 |
|---|---|---|
| 創業間もない企業 | 創業・起業支援型 | 専門家によるハンズオン支援が付随する制度もある |
| 製造業・卸小売業 | 設備投資・生産性向上型、DX推進型 | 老朽設備の更新や在庫管理システム導入等が対象になりやすい |
| サービス業・小売業(店舗系) | DX推進型、働き方改革・両立支援型 | 予約システム導入、シフト管理の効率化等と相性がよい |
| 従業員数の多い中堅企業 | ダイバーシティ・女性活躍推進型 | 女性管理職比率向上などの取り組みが対象になる制度がある |
自社がどの型に近いかを整理したうえで、該当する実施機関の公式サイトを重点的にチェックすると、情報収集の効率が上がる。特に創業期・設備投資期・組織拡大期といった事業フェーズの節目は、複数の制度を同時に検討すべきタイミングでもある。
よくある質問(FAQ)
Q1. 東京都の助成金・補助金と国の助成金は同時に申請できますか?
A. 制度によって併給の可否が異なる。同一の経費・同一の目的に対して複数の制度から重複して受給できないケースもあるため、各制度の公募要領で確認する必要がある。
Q2. 東京都独自の制度は毎年同じ内容で実施されますか?
A. 年度予算に応じて内容・金額・募集有無が変わることが多い。前年度にあった制度が翌年度は休止・変更されることもあるため、都度公式情報を確認する必要がある。
Q3. 個人事業主でも東京都の助成金・補助金は使えますか?
A. 制度によって法人限定のものと個人事業主も対象になるものがある。募集要項の「対象者」欄を必ず確認したい。
Q4. 東京都以外に本社があり、都内に支店がある場合は対象になりますか?
A. 制度によって「都内に主たる事業所を有すること」など要件が異なる。支店のみの場合の扱いは制度ごとに確認が必要だ。
Q5. どの制度が自社に合うか分からない場合はどうすればよいですか?
A. 商工会議所や東京都中小企業振興公社の窓口相談のほか、国・都道府県・市区町村の制度を横断的に把握している助成金コンサルティング会社に相談する方法もある。
Q6. 東京都の制度は他の道府県に比べて申請倍率が高いのですか?
A. 東京都は事業者数そのものが多いため、人気の高い創業支援型・DX推進型の制度では応募が集中し、結果として採択率が下がりやすい傾向はある。ただし制度・年度によって差が大きいため、過去の採択率の公表があれば参考にしつつ、早めの情報収集と準備を心がけたい。
まとめ|助成金・補助金の申請はTrue Partnersに相談を
東京都内の企業は、国の雇用関係助成金・補助金に加えて、東京都独自の創業支援・働き方改革・DX推進系の制度を組み合わせられる可能性がある。制度は年度ごとに内容が変わるため、まずは自社が使える制度を横断的に洗い出すことが重要だ。
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