雇用保険に入っていないパートは助成金の対象になる?【2026年版】|週20時間の壁と対象労働者の条件

雇用保険に入っていないパートは助成金の対象になる?【2026年版】 雇用・採用助成金

結論、雇用保険に加入していないパート・アルバイトは、原則として多くの助成金の対象労働者から外れてしまう。多くの雇用関係助成金は「雇用保険の被保険者であること」を対象労働者の前提条件としているため、雇用保険に未加入のまま働いているパートを対象にした取り組みを計画しても、助成金の対象として認められないケースが多い。まずは自社のパート・アルバイトが雇用保険の加入要件を満たしているかどうかを確認することが、助成金活用の出発点になる。

結論:雇用保険未加入のパートが助成金の対象外になりやすい理由

雇用関係の助成金は、雇用保険の適用事業所が、雇用保険の被保険者である労働者を対象に行う取り組みに対して支給される仕組みになっている制度が多い。これは、助成金の財源の多くが雇用保険の保険料(雇用安定資金)でまかなわれているためで、雇用保険に加入していない労働者は、そもそも制度の枠組みの外にいると位置づけられていることが背景にある。

そのため、パートやアルバイトであっても雇用保険に加入していれば対象労働者になり得るが、加入していなければ、その労働者を対象にした取り組みは多くの助成金で対象外になってしまう。「パートだから使えない」のではなく、「雇用保険に入っていないから使えない」というのが正確な理解である。

雇用保険の加入要件|週20時間の壁とは

雇用保険への加入は雇用形態ではなく、労働時間や雇用見込み期間などの要件によって決まる。一般的な雇用保険の加入要件として広く知られているのは、「1週間の所定労働時間が20時間以上であること」「31日以上の雇用見込みがあること」の2点である。この週20時間という基準は、いわゆる「週20時間の壁」として、パート・アルバイトの働き方や社会保険の議論でもたびたび取り上げられるラインである。

つまり、週の所定労働時間が20時間未満のパート・アルバイトは、原則として雇用保険の適用対象外となり、結果として多くの助成金の対象労働者からも外れることになる。なお、雇用保険の加入要件は法改正によって見直されることがあるため、正確な要件や適用のタイミングは最新の情報をハローワークや管轄の労働局で確認する必要がある。

雇用保険加入の基本要件(一般的な基準)

要件項目 基準の目安
週の所定労働時間 20時間以上
雇用見込み期間 31日以上
雇用形態 正社員・契約社員・パート・アルバイトいずれも対象になり得る
適用除外の代表例 週20時間未満のパート・学生アルバイト(一部例外あり)等

※最新の適用要件・例外規定は制度改正により変更されることがあるため、必ずハローワークまたは管轄の労働局で確認してほしい。

パート・アルバイトが助成金の対象になるケース・ならないケース

週20時間以上働き、31日以上の雇用見込みがあるパート・アルバイトは、雇用保険の被保険者として扱われるため、雇用形態が正社員でなくても多くの雇用関係助成金の対象労働者になり得る。たとえば、契約社員やパートから正社員へ転換する取り組みを支援するキャリアアップ助成金や、試行雇用を経て常用雇用へ移行するトライアル雇用助成金などは、雇用保険に加入しているパート・アルバイトも対象に含まれる制度として知られている。

一方で、週20時間未満の短時間パートや、雇用見込みが31日未満の短期アルバイトは、雇用保険の適用対象外となるため、その労働者を対象にした取り組みの多くは助成金の対象にならない。「非正規雇用の労働者を支援する」という助成金の目的があっても、雇用保険への加入という前提条件を満たしていなければ、制度上は対象として扱われない点に注意が必要である。

対象・対象外の判断早見表

ケース 雇用保険の扱い 助成金対象になりやすいか
週30時間勤務・雇用見込み1年のパート 被保険者になる 対象労働者になり得る
週25時間勤務・雇用見込み6ヶ月のアルバイト 被保険者になる 対象労働者になり得る
週15時間勤務の短時間パート 適用対象外になりやすい 対象外になりやすい
雇用見込み20日程度の短期アルバイト 適用対象外になりやすい 対象外になりやすい

雇用保険未加入のパートを助成金の対象にしたい場合の考え方

現状、雇用保険に未加入のパートを助成金の対象にしたい場合、まず検討すべきは「労働時間を見直して雇用保険の適用要件を満たす働き方に変更できないか」という点である。週の所定労働時間を20時間以上に引き上げることで雇用保険への加入対象となり、結果としてキャリアアップ助成金など各種助成金の対象労働者にできる可能性がある。

ただし、労働時間の変更は本人の希望や業務の実態を踏まえて検討すべきものであり、助成金を受給する目的だけで一方的に労働条件を変更することは、労務管理上のトラブルにつながりかねない。あくまで本人のキャリアアップや処遇改善につながる形で労働条件を見直し、その結果として助成金の対象になるという順序で考えることが望ましい。

また、そもそも雇用保険への加入要件を満たしていない短時間労働者が多い事業所の場合は、無理に助成金の対象化を目指すのではなく、雇用保険の加入対象となる労働者を中心に、活用できる助成金を洗い出すという発想も有効である。自社の従業員構成をあらためて整理し、雇用保険に加入している労働者・していない労働者を区分したうえで、どの助成金が実際に活用できるかをシミュレーションすることが第一歩になる。

なお、飲食業や小売業など、短時間のパート・アルバイトを多く抱える業種では、そもそも雇用保険に加入している従業員の割合が少なく、助成金を活用できる余地が限られていると感じている経営者も多い。しかし、繁忙期に合わせてシフトを増やしている従業員の中には、実態として週20時間以上働いている人が含まれているにもかかわらず、雇用契約上の所定労働時間が過小に設定されたままになっているケースも見受けられる。契約内容と実際の勤務実態にズレがないかを見直すだけでも、雇用保険の加入対象者、ひいては助成金の対象労働者が新たに見つかることがある。

雇用保険加入と助成金活用を見直すステップ

ステップ 確認内容
1 全従業員の週所定労働時間と雇用見込み期間を一覧化する
2 雇用契約上の労働時間と実際の勤務実態にズレがないか確認する
3 雇用保険に加入している従業員・していない従業員を区分する
4 加入対象者を中心に、活用できる助成金の候補を洗い出す
5 労働時間の見直しが必要な場合は本人の同意を得て検討する

よくある質問(FAQ)

Q1. パートやアルバイトは助成金の対象にまったくなりませんか?

A. いいえ。雇用保険に加入しているパート・アルバイトであれば、雇用形態にかかわらず多くの雇用関係助成金の対象労働者になり得る。ポイントは雇用形態ではなく雇用保険の加入有無である。

Q2. 週20時間ちょうど働いているパートは対象になりますか?

A. 週の所定労働時間が20時間以上であれば雇用保険の加入対象になり得るが、正確な適用判断は個別の雇用契約の内容や運用実態によって異なるため、管轄のハローワークに確認することをおすすめする。

Q3. 労働時間を増やせば雇用保険に加入させることはできますか?

A. 週の所定労働時間を20時間以上に変更すれば、雇用保険の加入要件を満たす可能性がある。ただし労働条件の変更は本人の同意や業務実態を踏まえて検討する必要がある。

Q4. 学生アルバイトも雇用保険の対象になりますか?

A. 学生については雇用保険の適用に一部例外規定が設けられている場合がある。個別の状況によって扱いが異なるため、詳細はハローワークで確認してほしい。

Q5. 自社のパート従業員が助成金の対象になるか調べる方法はありますか?

A. まずは従業員ごとの週所定労働時間と雇用見込み期間を整理し、雇用保険の加入状況を確認することが第一歩になる。そのうえで、対象労働者ごとにどの助成金が活用できるか、専門家にシミュレーションを依頼する方法もある。

雇用保険と助成金の関係をより体系的に理解したい場合は、助成金と雇用保険の関係を完全解説【2026年版】|雇用保険の加入が助成金受給の前提条件になる理由と手続きを参考にしてほしい。パート・アルバイトが活用できる助成金の全体像は、パート・アルバイト採用でも使える雇用関係助成金まとめ2025年版にまとめている。対象労働者の要件で見落としやすいポイントは、助成金申請の「事業所要件」「対象労働者要件」の基礎知識【2026年版】|見落としがちな適用除外パターンでも整理している。採用コスト全体を助成金でカバーする視点については中小企業の採用コストを助成金で軽減する方法【2026年版】|求人広告費・エージェント費の負担を助成金で抑えるも参考になる。

まとめ|助成金・補助金の申請はTrue Partnersに相談を

雇用保険に加入していないパート・アルバイトは、原則として多くの雇用関係助成金の対象労働者から外れてしまう。判断の基準は雇用形態ではなく「週20時間以上・雇用見込み31日以上」という雇用保険の加入要件にある。まずは自社のパート従業員の労働時間と雇用保険の加入状況を整理し、どの助成金が実際に活用できるかを見極めることが重要である。自社の従業員構成に合わせた受給可能額を知りたい場合は、専門家によるシミュレーションを活用するのも一つの方法だ。

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