人材紹介を使うと助成金は減る?【2026年版】|紹介手数料と雇用関係助成金の関係

人材紹介を使うと助成金は減る?【2026年版】 雇用・採用助成金

「人材紹介会社を使って採用すると助成金がもらえなくなる」という話を聞いたことがある採用担当者は多いはずだ。結論から言うと、これは制度によって答えが異なる。ハローワーク経由の求人が要件になっている制度では、紹介会社経由の採用は対象外になることがある一方、求人経路を問わない制度も存在する。また、紹介手数料そのものはどの助成金でも対象経費にはならない。この記事では、求人経路の要件がある制度とない制度の違い、注意すべき代表的な制度、そして採用経路の設計の考え方を整理する。

求人経路が助成金の対象可否を左右する理由

雇用関係助成金の多くは、単に「人を採用したら支給される」ものではなく、「特定の就労困難層をハローワーク等の公的な職業紹介ルートを通じて雇い入れた場合」を要件とする制度が多い。これは助成金の政策目的が、就職が困難な層の雇用機会を広げることにあり、その実効性を確認する手段としてハローワークなどの紹介実績が要件に組み込まれているためだ。

一方で、すべての助成金がハローワーク経由を必須にしているわけではない。正社員転換や賃上げ、両立支援制度の整備など、採用経路そのものを問わず「雇用管理の改善」を評価する制度も多数存在する。つまり、「人材紹介会社を使うと助成金全般がもらえなくなる」というのは正確ではなく、「求人経路要件がある制度に限って、紹介会社経由だと対象外になりやすい」というのが実態に近い。

求人経路の要件がある代表的な制度

求人経路の要件がある制度の代表例として、トライアル雇用助成金や特定求職者雇用開発助成金が挙げられる。これらの制度は、就職が難しいとされる求職者(高年齢者、障害者、母子家庭の母、就職氷河期世代など)を、公共職業安定所(ハローワーク)または地方運輸局、あるいは職業紹介事業者のうち一定の要件を満たす者の紹介によって雇い入れることを要件としているケースが多い。

ここで注意したいのは、「民間の職業紹介事業者を経由した場合が一律に対象外になるわけではない」という点だ。制度によっては、有料・無料職業紹介事業者からの紹介であっても、一定の要件(許可を受けた職業紹介事業者であること等)を満たせば対象になる場合がある。逆に、要件を満たさない形での紹介や、求人票の出し方によっては対象外と判断されることもある。この判断は制度の細部やその時々の運用によって変わるため、「うちの採用経路はこの制度の対象になるか」を個別に確認する姿勢が欠かせない。

制度カテゴリ 求人経路の要件の傾向 民間紹介会社経由の扱い
トライアル雇用系の助成金 公共職業安定所等の紹介が要件になることが多い 一定要件を満たす紹介事業者経由は対象となる場合がある(要確認)
特定求職者雇用開発助成金系 対象者の状況に応じて紹介元の要件が定められている 制度・対象者区分によって扱いが異なる
正社員転換・処遇改善系の助成金 求人経路を問わない制度が多い 採用経路にかかわらず対象になりやすい
両立支援・研修系の助成金 採用経路ではなく制度整備・実施実績が評価対象 求人経路は基本的に問われない

このように、制度のカテゴリによって求人経路の重要度がまったく異なる。採用活動を始める前に、「今回使いたい助成金は求人経路を問うタイプか」を確認しておくことが遠回りを防ぐポイントになる。

紹介手数料は助成金の対象経費にならない

もう一つ押さえておきたいのが、人材紹介会社に支払う紹介手数料そのものは、雇用関係助成金における助成対象経費には含まれないという点だ。雇用関係助成金の多くは、賃金の一部や、規定整備・研修実施にかかる経費を助成対象とする設計になっており、採用活動そのものにかかる費用(求人広告費、紹介手数料、面接にかかる交通費など)は対象外とされることが一般的だ。

つまり、人材紹介を利用すること自体が悪いわけではなく、「紹介手数料を助成金で補填できる」という誤解を持たないことが重要だ。人材紹介の活用と助成金の活用は別の話として切り分けて考える必要がある。紹介会社を使うかどうかは採用のスピードや質の観点で判断し、助成金の活用可否は別途、求人経路要件のある制度かどうかで判断するという二段構えの考え方が実務的だ。

採用経路の設計の考え方

助成金の活用を見据えて採用活動を行う場合、次のような設計を検討したい。

  1. 1. 採用予定のポジションごとに助成金の活用可能性を先に洗い出す:正社員登用、賃上げ対象、特定の就労困難層の採用など、想定する採用シナリオに合う制度があるかを事前に確認する。
  2. 2. 求人経路要件のある制度を使いたい場合はハローワーク求人を並行して出す:紹介会社をメインチャネルにしつつ、対象制度を使いたいポジションについてはハローワーク求人も並行して出稿しておくと、選択肢を狭めずに済む。
  3. 3. 紹介会社経由の採用でも使える制度を優先的に検討する:正社員転換や処遇改善など、求人経路を問わない制度から優先的に検討すれば、紹介会社を使う採用フローと助成金活用を両立しやすい。
  4. 4. 要件確認は採用の前に行う:内定を出してから「実はこの経路では対象外だった」と気づくケースを避けるため、募集を開始する段階で要件を確認しておく。

このような設計をしておけば、人材紹介会社を使うことと助成金を活用することを対立させずに両立させやすくなる。なお、採用経路にかかわらず対象になる業種・対象外になる業種の区分もあらかじめ押さえておきたい。助成金が使えない業種・対象外になるケースも参考にしながら、採用計画の前提条件を確認しておくと手戻りを防げる。

制度理解を深めるために

求人経路の要件は、制度の趣旨や対象者の区分によって細かく規定されており、しかも年度によって内容が見直されることがある。誤った理解のまま採用を進めてしまうと、想定していた助成金が使えないという事態になりかねない。制度の全体像を理解するうえでは、助成金と補助金と給付金の違いを先に押さえておくと、そもそも自社が使うべき制度カテゴリが見えやすくなる。

また、要件の解釈や自社の採用フローが対象になるかどうかの判断に迷う場合は、社労士と助成金コンサルの違いも参考にしながら、専門家への相談を検討するのも一つの方法だ。特に人材紹介と助成金を組み合わせた採用計画は、制度の解釈がケースバイケースになりやすいため、早い段階で第三者の目を通しておくと安心材料になる。

よくある質問(FAQ)

Q1. 人材紹介会社を使うと助成金は一切もらえなくなりますか?

そうとは限らない。求人経路を問わない制度も多く存在するため、紹介会社経由の採用でも活用できる助成金はある。求人経路要件があるかどうかは制度ごとに異なる。

Q2. トライアル雇用助成金は人材紹介会社経由だと対象外ですか?

一律に対象外とは言えない。公共職業安定所等の紹介が要件になっているのが一般的だが、一定要件を満たす職業紹介事業者経由であれば対象になる場合もある。最新の支給要領での確認が必要だ。

Q3. 紹介手数料を助成金で補填することはできますか?

できない。紹介手数料は雇用関係助成金の対象経費に含まれないのが一般的で、助成対象は賃金の一部や制度整備・研修実施にかかる経費が中心になる。

Q4. 求人経路要件がある制度とない制度、どちらを優先すべきですか?

どちらが優れているというものではなく、自社の採用計画に合う制度を選ぶのが基本だ。求人経路を問わない制度から検討すれば、紹介会社を使う採用フローとの両立がしやすい。

Q5. 採用前に何を確認しておけば安心ですか?

使いたい制度が求人経路要件を設けているか、対象となる紹介元の条件は何かを、募集を出す前の段階で確認しておくことが望ましい。判断に迷う場合は専門家に相談するのも一つの方法だ。

まとめ|助成金・補助金の申請はTrue Partnersに相談を

人材紹介の利用が助成金に影響するかどうかは制度次第であり、一律に「使うと不利」とは言えない。求人経路要件のある制度とない制度を見極め、紹介手数料は対象経費にならないことを理解したうえで採用経路を設計することが重要だ。要件の細部は最新の支給要領で必ず確認したい。

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