警備業が使える助成金・補助金まとめ【2026年版】|採用・資格取得・DX化で国の支援を最大活用する方法

警備業が使える助成金・補助金まとめ【2026年版】 雇用・採用助成金

警備業は深刻な人手不足と高齢化、24時間シフトによる複雑な労務管理、警備員指導教育責任者や警備業務検定といった法定教育のコスト負担など、他業種にはない特有の経営課題を抱えています。実はこうした課題の多くは、国の助成金・補助金を組み合わせることで負担を軽減できます。本記事では、警備会社が使える助成金・補助金を「人材確保」「資格取得・教育」「DX化・機械警備化」の切り口で整理し、受給目安と申請のポイントを解説します。金額や要件は年度・公募回で変わるため、2026年8月時点の情報として参考にしたうえで、必ず最新の情報を確認してください。

警備業が抱える経営課題と助成金・補助金が効く理由

警備業の現場では、以下のような課題が慢性化しています。

  • 深刻な人手不足:有効求人倍率が高い職種であり、特に夜間・交通誘導の担い手確保が難しい
  • 高齢化:警備員の年齢層が高く、若手・シニア双方の確保と定着が課題
  • 24時間シフトの労務管理:交代制勤務による労働時間管理・休憩管理の複雑さ
  • 法定教育コスト:警備員指導教育責任者、警備業務検定などの資格取得・更新にかかる費用と時間
  • 労働時間規制への対応:シフト制のもとでの時間外労働の削減、勤怠管理のデジタル化ニーズ

これらの課題は、人材の「採用」「定着」「育成」、そして業務の「効率化」という切り口で見ると、既存の助成金・補助金のメニューとかなりの部分が重なります。以下、目的別に使える制度を整理します。

人材確保に使える助成金

キャリアアップ助成金(正社員化コース)

有期雇用の警備員を正社員に転換した場合に活用できる助成金です。警備業は登録制のパート・アルバイト従業員も多いため、戦力化した人材を正社員登用する場面で活用しやすい制度です。受給目安は契約社員から半年後に正社員転換した場合で240万円規模とされています。

特定求職者雇用開発助成金

高年齢者や障害者など、就職が特に困難とされる求職者を採用した場合に活用できる助成金です。警備業は定年後のシニア層の採用や、身体的な負担が比較的軽い業務(施設内の巡回・受付業務等)での障害者雇用との相性が良い業界特性があり、他業種よりも活用しやすい制度といえます。

トライアル雇用助成金

未経験者や職務経験の少ない求職者を一定期間試行雇用したうえで本採用に移行する場合に使える助成金です。警備の実務は未経験からのスタートも多い業界のため、いきなり本採用するリスクを抑えながら人材を確保する手段として有効です。受給目安は1人あたり12万円程度とされています。

65歳超雇用推進助成金

定年引き上げやシニア層の継続雇用制度の整備に対して支給される助成金です。警備業はシニア人材の活躍の場として比較的マッチしやすい業種であり、高齢の警備員を戦力として長く活用する体制づくりに活用できます。

人材確保等支援助成金

雇用管理制度の導入(評価制度、研修制度など)を通じて離職率の低下を図る取り組みに対して支給される助成金です。受給目安は80万円程度とされ、警備員の定着率向上に向けた制度整備に活用できます。

資格取得・教育に使える助成金

人材開発支援助成金

警備員指導教育責任者や警備業務検定など、法定の教育・資格取得にかかる研修費用と、研修期間中の賃金の一部を助成する制度です。警備業は法律上、新任教育・現任教育の実施が義務付けられており、もともと発生している教育コストの一部を助成金でカバーできる可能性がある点は見逃せません。

ここで注意したいのが、法定教育の実施記録と助成金の申請要件の整合性です。助成金の対象となる訓練時間・カリキュラムは、法定教育の実施記録(教育計画書、出席簿等)と紐づけて管理する必要があり、記録の不備が不支給の原因になりやすいポイントです。

DX化・機械警備化に使える補助金

IT導入補助金

勤怠管理・シフト管理システムや、警備報告書の電子化・デジタル化に使えるITツールの導入費用を補助する制度です。24時間シフトの警備業では、出退勤の打刻管理やシフト調整の負担が大きく、システム導入による業務効率化の効果が出やすい領域です。

ものづくり・省力化投資補助金

防犯カメラ、AI画像解析による異常検知システム、遠隔監視システムなど、人による常駐警備の一部を機械警備に置き換える設備投資に活用できる補助金です。人手不足が深刻な警備業にとって、省人化・省力化につながる設備投資は経営の持続可能性に直結するテーマであり、優先的に検討したい制度のひとつです。

小規模事業者持続化補助金

小規模な警備会社が、販路開拓(法人営業の強化、Webサイトのリニューアル等)や業務効率化のための小規模な設備投資を行う際に活用できる補助金です。比較的申請のハードルが低く、初めて補助金に挑戦する事業者にも取り組みやすい制度とされています。

働き方改革・賃上げに使える助成金

働き方改革推進支援助成金

シフト管理システムの導入や労務管理体制の整備を通じて、労働時間の短縮や年次有給休暇の取得促進に取り組む場合に活用できる助成金です。受給目安は500万円規模とされ、シフト制特有の労務管理課題の解消に活用しやすい制度です。制度の詳細な申請方法は、働き方改革推進支援助成金の申請方法【2026年最新】|労働時間の削減で使えるでも詳しく解説しています。

業務改善助成金

事業場内最低賃金の引き上げと合わせて、生産性向上につながる設備投資を行う場合に活用できる助成金です。受給目安は賃上げ幅や設備投資の内容によって変動しますが、300万円規模の受給実績もあるとされています。人手不足が続く警備業では、賃上げによる採用競争力の強化と設備投資を同時に進める手段として検討する価値があります。詳しい申請の流れは業務改善助成金の申請方法【2026年最新】|賃上げ+設備投資も参照してください。

警備業向け・制度一覧表(目的×制度×受給目安)

目的 制度名 種別 受給目安
有期社員の正社員化 キャリアアップ助成金 助成金 240万円規模
シニア・障害者採用 特定求職者雇用開発助成金 助成金 制度により変動
未経験者の試行雇用 トライアル雇用助成金 助成金 12万円/人規模
シニア戦力化 65歳超雇用推進助成金 助成金 制度により変動
定着率向上 人材確保等支援助成金 助成金 80万円規模
法定教育・資格取得 人材開発支援助成金 助成金 制度により変動
勤怠・シフト管理DX IT導入補助金 補助金 数十万円〜規模
機械警備化・防犯カメラ ものづくり・省力化投資補助金 補助金 数百万円規模
販路開拓・小規模投資 小規模事業者持続化補助金 補助金 50万〜200万円規模
労働時間短縮 働き方改革推進支援助成金 助成金 500万円規模
賃上げ+設備投資 業務改善助成金 助成金 300万円規模

課題別の優先順位表

経営課題 優先して検討したい制度 理由
とにかく人が足りない トライアル雇用助成金→キャリアアップ助成金 未経験採用から正社員化までの流れを助成金でカバーできる
教育コストの負担が重い 人材開発支援助成金 法定教育費用の一部をカバーできる可能性がある
シフト管理が煩雑 働き方改革推進支援助成金、IT導入補助金 システム導入で労務管理負担を軽減できる
夜間警備の人手が確保できない ものづくり・省力化投資補助金 機械警備・遠隔監視への転換で省人化を図れる
賃上げして採用競争力を上げたい 業務改善助成金 賃上げと設備投資を同時に進められる

警備業ならではの申請上の注意点

助成金・補助金の申請にあたって、警備業特有の注意点がいくつかあります。

  • 法定教育の実施記録と助成金の訓練時間の整合性:警備員指導教育責任者による新任教育・現任教育の記録は、人材開発支援助成金の訓練実績としても使えるよう、日時・時間数・内容を正確に記録しておく必要があります。
  • シフト制での出勤簿管理:24時間体制のシフト勤務は、通常の日勤中心の職場よりも出勤簿・賃金台帳の整合性チェックが煩雑になりがちです。助成金の審査では過去の労務書類の提出を求められることが多いため、日頃からの整備が不可欠です。
  • 複数の助成金の併用可否:制度によっては同一の取り組みに対して複数の助成金を重複して受給できない場合があります。どの制度をどの取り組みに充てるか、事前に整理しておくことが重要です。

こうした複雑な要件を自社の労務担当者だけで正確に把握するのは負担が大きいため、助成金に精通した専門家に相談しながら、自社が使える制度を横断的に洗い出す方法も選択肢のひとつです。自社がどの助成金の対象になりうるかを診断したい場合は、助成金で「何がもらえるか」を診断する方法も参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 小規模な警備会社でも助成金は使えますか?

A. 多くの助成金は中小企業・小規模事業者を主な対象としており、従業員数の少ない警備会社でも活用できる制度が数多くあります。まずは自社の従業員数・雇用形態に合う制度から検討するのがおすすめです。

Q2. 警備員指導教育責任者の資格取得費用も助成の対象になりますか?

A. 人材開発支援助成金など、研修・教育にかかる費用や研修期間中の賃金の一部を助成する制度の対象になり得ます。ただし対象となる研修の要件は制度・コースによって異なるため、事前確認が必要です。

Q3. 助成金と補助金はどちらを優先すべきですか?

A. 助成金は主に人材・労務面の取り組みに対して要件を満たせば高い水準で受給しやすく、補助金は設備投資に対して審査を経て採択される点が異なります。人手不足対策には助成金、機械警備化などの設備投資には補助金というように、目的に応じて使い分けるのが基本です。

Q4. 複数の助成金を同時に申請することはできますか?

A. 制度によっては同時に申請できるものもありますが、同一の取り組みに対する重複受給が制限される場合があります。どの制度をどの取り組みに充てるか整理したうえで申請することが重要です。

Q5. 助成金の申請は自社だけでもできますか?

A. 制度によっては自社での申請も可能ですが、必要書類が多く、法定教育記録などとの整合性チェックも必要になるため、専門家に相談しながら進める警備会社も多く見られます。

まとめ|助成金・補助金の申請はTrue Partnersに相談を

警備業は人手不足・高齢化・法定教育コスト・シフト管理の複雑さという特有の課題を抱えていますが、キャリアアップ助成金や人材開発支援助成金といった人材系の助成金、IT導入補助金やものづくり・省力化投資補助金といった機械警備化を後押しする補助金まで、活用できる制度は幅広く存在します。自社の課題に優先順位をつけ、使える制度から着実に取り組むことが重要です。

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