助成金コンサルに相談したものの、受任を断られてしまうケースは実際に存在する。主な理由は、就業規則が未整備、労働保険料の滞納、直近の解雇歴がある、そもそも対象となる労働者がいない、といった申請要件に関わるものだ。本記事では、断られやすい具体的なケースと、相談を受けてもらいやすくするための事前準備、断られた場合の代替策を解説する。
なぜ助成金コンサルは受任を断ることがあるのか
助成金は国の制度である以上、申請書類に不備や虚偽があれば不支給や返還命令の対象になり、悪質なケースでは事業者名が公表されることもある。助成金コンサルは自らの専門家としての信用を守る必要があるため、要件を満たす見込みが低い案件や、審査で不支給になるリスクが高い案件については、受任前の時点で断る判断をすることがある。
これは決して事業者を選別して切り捨てているわけではなく、「今の状態では受給できる可能性が低い」ことを正直に伝え、無駄な着手金や手間を発生させないための配慮でもある。断られた理由を理解し、必要な準備を整えれば、時間を置いて再相談できるケースも多い。
断られやすい具体的なケース
就業規則が未整備なケース
多くの助成金は、就業規則(常時10人未満の事業場では就業規則に準ずるものでも可とされる場合がある)の整備を前提としている。就業規則に助成金の対象となる制度(正社員転換ルール、育児・介護に関する規定など)が明記されていない場合、そもそも申請の土台が整っていないと判断され、断られる原因になりやすい。
労働保険料を滞納しているケース
労働保険料(労災保険・雇用保険)を滞納している事業者は、原則として助成金の受給対象から外れる。滞納が解消されない限り、どれだけ他の要件を満たしていても審査を通過できないため、コンサル側も早い段階で受任を見送ることが多い。
直近に会社都合の解雇を行っているケース
多くの助成金には、一定期間内に会社都合による解雇や退職勧奨を行っていないことが要件として設けられている。直近数か月以内に人員整理を行っている場合、対象期間の要件を満たせず、申請そのものが難しいと判断されるケースがある。
対象となる労働者がそもそもいないケース
制度ごとに対象となる労働者の条件(雇用形態、勤続期間、賃金水準など)が細かく定められている。例えばキャリアアップ助成金であれば正社員化の対象となる非正規雇用者が、業務改善助成金であれば賃上げの対象となる労働者が、社内にいなければ制度の活用自体ができない。
| 断られやすいケース | 主な理由 | 対応の方向性 |
|---|---|---|
| 就業規則が未整備 | 申請の前提となる規定がない | 就業規則(または簡易な規程)の整備 |
| 労働保険料の滞納 | 受給要件を満たせない | 滞納分の納付・分割納付の相談 |
| 直近の会社都合解雇 | 対象期間の要件を満たさない | 一定期間の経過を待つ |
| 対象労働者がいない | 制度の適用対象が存在しない | 別の制度・別のタイミングでの検討 |
相談を受けてもらいやすくするための事前準備
助成金コンサルへの相談をスムーズに進めるには、あらかじめ基本的な労務環境を整えておくことが有効だ。特に重要なのは、就業規則(または簡易な規程)の整備、雇用契約書の内容の見直し、労働保険料の納付状況の確認、そして直近の採用・退職の状況を整理しておくことである。
準備しておきたい書類
助成金の相談・申請では、就業規則、雇用契約書、賃金台帳、出勤簿、今後の採用計画表などの提出を求められることが多い。これらが整理された状態で相談に臨むことで、コンサル側も要件充足の見通しを立てやすくなり、受任の判断がスムーズになる。
| 準備段階 | 準備しておきたい内容 |
|---|---|
| 労務環境の整備 | 就業規則・雇用契約書の内容確認、労働保険料の納付状況確認 |
| 書類の準備 | 賃金台帳、出勤簿、今後の採用計画表 |
| 社内状況の整理 | 直近の採用・退職状況、対象となりうる労働者の洗い出し |
断られた場合の代替策
一度断られたとしても、恒久的に助成金の活用ができなくなるわけではない。就業規則を整備する、労働保険料の滞納を解消する、一定期間解雇を行わずに時間を置くといった対応によって、要件を満たせるようになれば再度相談できる。
また、現時点で対象となる労働者がいない場合でも、今後の採用計画次第で新たに対象になる制度が出てくることもある。断られた理由を明確に確認し、いつ・何を整えれば再チャレンジできるのかを具体的に把握しておくことが、遠回りに見えて最も確実な進め方になる。社会保険労務士事務所によって得意分野や取り扱う制度の範囲が異なるため、複数の専門家に相談してみるのも一つの方法だ。
なお、断られた際に「なぜ対象外なのか」を曖昧なまま放置してしまうと、翌年以降も同じ理由で相談を断られ続けることになりかねない。就業規則の見直しや労働保険料の納付計画など、改善に時間がかかる項目については、早めに着手して次の相談のタイミングに備えておくことが望ましい。
よくある質問(FAQ)
Q1. 就業規則がなくても助成金は申請できますか。
A. 常時10人未満の事業場では就業規則の作成義務自体はないが、多くの助成金は就業規則に準ずる規程の整備を前提としている。整備されていないと申請できない制度が多い。
Q2. 労働保険料を分割払いにしていても対象外になりますか。
A. 滞納が解消され、納付計画に沿って適切に納付できていれば対象になる可能性がある。詳細は個別の状況によって異なるため確認が必要だ。
Q3. 一度断られたら二度と相談できませんか。
A. そうではない。要件を満たせない理由が解消されれば、時間を置いて再度相談・申請できるケースは多い。
Q4. 対象労働者がいない場合、助成金はあきらめるしかありませんか。
A. 今後の採用計画によって新たに対象になる制度が出てくることもある。現状で使えなくても、将来を見据えて準備しておく価値はある。
Q5. 断られる可能性を事前に減らす方法はありますか。
A. 就業規則の整備、労働保険料の納付状況の確認、直近の解雇の有無の整理など、基本的な労務環境を先に整えておくことで、相談時の判断がスムーズになりやすい。
事前準備を踏まえた相談先の選び方
助成金は「要件を満たしていれば受給できる」制度である一方、要件を満たしていなければ専門家であっても支援のしようがない。断られる可能性を減らすには、就業規則や労働保険料の状況といった基本的な労務環境を整えたうえで相談することが近道になる。助成金・補助金を専門に扱うコンサルティングのなかには、現状の要件充足度を無料診断で確認できるサービスもあり、まずは自社がどの程度制度の対象になり得るかを把握するところから始める方法もある。
まとめ|助成金・補助金の申請はTrue Partnersに相談を
助成金コンサルが受任を断るのは、就業規則の未整備、労働保険料の滞納、直近の解雇歴、対象労働者の不在といった要件面の課題が主な理由である。事前に労務環境を整えておくことで、相談を受けてもらいやすくなる。まずは自社の状況を客観的に診断してもらうことから始めるとよい。
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