中小企業の賃上げで使える助成金・補助金まとめ【2026年版】|賃金引上げを国が支援する全制度と申請手順

助成金・補助金申請のイメージ 未分類

2024〜2026年にかけて、政府は継続的に最低賃金の引き上げを推進しており、中小企業にとって人件費増大は避けられない課題だ。しかし、賃上げを実施することで受給できる助成金・補助金を活用すれば、実質的な人件費負担を大幅に軽減できる。本記事では、賃上げと連動して受給できる主な制度をまとめて解説する。


賃上げ支援制度の全体像

制度名 支援内容 最大金額
業務改善助成金 設備投資+賃上げへの補助 最大600万円
人材確保等支援助成金(雇用管理制度コース) 職場環境改善による離職率低下 最大57万円
キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース) 非正規の賃金規定改定・賃上げ 1人あたり最大5万円
働き方改革推進支援助成金(賃金引上げ支援コース) 最低賃金引き上げに伴う支援 最大50万円
中小企業向け賃上げ促進税制 賃上げ額の最大30%を税額控除 税額控除(控除限度あり)

業務改善助成金:賃上げ+設備投資の最強コンボ

業務改善助成金は「生産性を高める設備投資を実施し、それと同時に賃金を引き上げた中小企業」に支給される助成金だ。単純な賃上げ助成ではなく、設備投資(業務改善)を条件とする点が特徴。

支給額の仕組み

賃上げ額 補助率 最大支給額
30円以上/時 3/4(小規模:4/5) 30万円
45円以上/時 3/4(小規模:4/5) 120万円
60円以上/時 3/4(小規模:4/5) 230万円
90円以上/時 3/4(小規模:4/5) 600万円

対象となる設備投資の例

  • 機械・工具の更新
  • ITシステム・ソフトウェアの導入
  • 保育施設の設置(従業員の子育て支援)
  • 人材育成研修プログラムの実施

申請の流れは「事前相談→計画申請→設備投資実施→賃上げ実施→支給申請」で、必ず事前に都道府県労働局への申請が必要だ。


キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)

非正規労働者(パート・アルバイト・有期契約社員)の賃金規定を改定し、3%以上の賃上げを実施した際に受給できる助成金だ。

支給額

  • 対象労働者1人あたり:5,000〜50,000円(賃上げ率・事業所規模により変動)
  • 1回の申請で複数名分をまとめて申請可能

申請要件

  • キャリアアップ計画の事前届出(ハローワーク)
  • 就業規則・賃金規程の改定
  • 改定後3ヶ月分の賃金支払いの実績

就業規則の改定・ハローワークへの計画届出を先行させることが重要。後から準備しようとすると申請要件を満たせないことが多い。


中小企業向け賃上げ促進税制(2026年版)

助成金・補助金ではないが、賃上げ企業への税制優遇措置として「賃上げ促進税制」がある。

概要

賃金総額を対前年度比3%以上増加させた場合、増加額の15%を法人税・所得税から控除できる。教育訓練費を10%以上増加させた場合はさらに加算される。

2026年度版のポイント

  • 中小企業:賃上げ額の最大30%税額控除
  • 大企業:賃上げ額の最大35%税額控除(条件付き)
  • 控除しきれない額は5年間繰り越し可能(中小企業のみ)

税額控除は助成金と異なり「毎年続ける」インセンティブになるため、長期的な賃上げ継続のモチベーション維持に効果的だ。


賃上げと助成金のベストな組み合わせ戦略

1〜2名の非正規スタッフを正社員化し、さらに全スタッフの賃金を引き上げた場合:

制度 受給見込み額
キャリアアップ助成金(正社員化) 160万円(2人分)
キャリアアップ助成金(賃金規定改定) 10万円(全5人分)
業務改善助成金(60円/時賃上げ) 172万円(補助率3/4)
賃上げ促進税制(法人税控除) 30〜50万円(試算)
合計 372〜392万円相当

賃上げコストを助成金で回収しながら、同時に人材定着率を高める「好循環」を作り出せる。


賃上げ助成金申請の注意点

計画届出の事前提出が必須

多くの雇用系助成金は「事業実施前にハローワークへ計画書を提出」することが申請要件だ。賃上げを実施してから申請しようとしても受付けてもらえないケースがある。

就業規則への明文化

賃金規程の改定は就業規則への反映と労働基準監督署への届出が必要。10名以上の事業所では届出義務があり、守らないと申請が受理されない。


まとめ

2026年も最低賃金の引き上げ圧力が続く中、賃上げを「コストアップ」ではなく「助成金受給のトリガー」として捉えることで、実質的な人件費負担を大幅に下げられる。業務改善助成金・キャリアアップ助成金・賃上げ促進税制を組み合わせた総合戦略が、賃上げ時代を乗り切るための正攻法だ。

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