家族の介護を理由に仕事を辞める「介護離職」は、年間約10万人(厚生労働省調べ)が発生しているとされており、中小企業にとっても人材流出の大きなリスクです。
特に中堅・ベテラン社員が介護離職してしまうと、採用・育成コストが再びかかるだけでなく、ノウハウや顧客関係の喪失にもつながります。
介護離職防止は社員のためだけでなく、企業の経営継続性を守るための重要な経営課題です。そして、この課題に取り組む企業を支援するために、国は複数の助成金を用意しています。
本記事では2026年版として、介護離職防止に活用できる助成金・補助金を詳しく解説します。
介護離職の現状と企業への影響
介護離職が起きやすい職場の特徴
| 特徴 | 具体的な状況 |
|---|---|
| 制度の未整備 | 介護休業・短時間勤務制度が就業規則にない |
| 上司・周囲の理解不足 | 「介護で休みたい」と言い出せない雰囲気 |
| 情報不足 | 介護保険サービスや地域資源を知らない |
| 経済的不安 | 収入が減ることへの恐怖感 |
| 業務の代替がない | 自分が休むと業務が回らない |
こうした職場環境を改善するための取り組みを支援するのが、介護離職防止関連の助成金です。
両立支援等助成金 介護離職防止支援コース|メインの助成制度
制度概要
厚生労働省の両立支援等助成金 介護離職防止支援コースは、介護に直面した労働者への仕事と介護の両立を支援するための取り組みを行った企業に対して支給される助成金です。
2026年の受給要件と受給額
| コース区分 | 要件 | 受給額(中小企業) |
|---|---|---|
| 雇用継続(介護休業取得) | 対象者が介護休業を取得し、職場復帰した場合 | 1人あたり60万円 |
| 業務代替支援(正社員) | 介護休業取得者の業務を代替した社員に手当支給 | 最大20万円 |
| 柔軟な勤務形態制度整備 | 短時間勤務・フレックスタイム等を制度化・運用 | 1人あたり38万円 |
介護休業を1名取得させて職場復帰まで支援すれば、最大で約80万円(60万円+20万円)の受給が可能です。
申請の流れ
- 1. 「介護支援プラン」の策定(対象者ごとに個別作成)
- 2. プランに沿った支援実施(休業取得・業務代替等)
- 3. 職場復帰後に支給申請
業務改善助成金との組み合わせ|生産性向上で人員不足をカバー
介護休業取得者が発生すると、残った社員の業務負荷が増えます。この問題に対処するために業務改善助成金を活用し、設備・ツール導入で生産性を上げることが有効です。
具体的な活用例
- 介護事業所:ICT機器(介護記録システム)導入で業務効率化
- 製造業:自動化設備の導入で人手不足を補完
- 事務職:RPA・クラウドシステム導入で残業を削減
業務改善助成金は最低賃金引き上げとセットの助成金ですが、間接的に介護休業取得環境の整備にも寄与します。
人材確保等支援助成金 雇用管理制度助成コース|制度整備で定着率改善
制度概要
評価制度・処遇改善・メンター制度などを新規導入し、離職率が改善した場合に受給できます。介護離職防止のための制度整備もこの助成金の対象となり得ます。
受給の目安
- 最大57万円(制度導入助成+目標達成助成)
- 制度導入から約2年後に離職率改善を確認して申請
介護両立支援コースと組み合わせることで、離職率改善という同じゴールに向けて複数の助成金を活用できます。
介護保険制度との連携|社員への情報提供が企業の義務に
2025年の介護保険法改正により、企業には介護保険サービス・地域包括支援センターに関する情報提供を社員に行うことが努力義務とされています。
情報提供を行うことで、社員自身が介護保険をうまく活用できるようになり、介護離職リスクが下がります。また、助成金申請の際にも「支援体制が整っている」ことの証左となります。
情報提供のポイント
| 情報カテゴリ | 内容 |
|---|---|
| 介護保険の手続き | 要介護認定の申請方法・ケアマネジャーとの連携 |
| 利用できるサービス | デイサービス・ショートステイ・訪問介護の活用 |
| 金銭的支援 | 介護休業給付金(賃金の67%が支給)の説明 |
| 社内制度 | 就業規則上の介護休業・短時間勤務制度の周知 |
就業規則の整備|助成金受給の前提条件
介護離職防止関連の助成金を受給するためには、就業規則への介護関連規定の明記が前提条件です。
最低限整備すべき規定
- 1. 介護休業制度(対象家族・取得期間・申請方法)
- 2. 介護のための所定外労働免除制度
- 3. 介護のための短時間勤務等の措置
- 4. 介護のための始業・終業時刻の繰り上げ・繰り下げ
法定の介護休業は最長93日・3回まで分割取得可能ですが、就業規則に明記することで、社員が安心して利用できる環境が整います。
介護離職防止の取り組みを経営戦略として位置づける
助成金受給だけを目的とするのではなく、介護離職防止を人材戦略の中核に置くことが長期的に有効です。
- 介護離職防止 → 中堅社員の定着 → 採用・育成コストの削減
- 社員への安心感 → エンゲージメント向上 → 生産性アップ
- 取り組みの対外発信 → 採用ブランディングの強化
介護支援に取り組む企業として認知されることで、採用活動でも差別化が図れます。
まとめ|助成金活用はTrue Partnersにお任せください
介護離職防止は人材戦略上の重要課題であり、両立支援等助成金・人材確保等支援助成金・業務改善助成金を組み合わせることで、取り組みコストを国がカバーしてくれます。就業規則の整備から助成金申請まで一括してサポートしてくれる専門家への相談が、確実な受給への近道です。
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