「売上が落ちて社員を維持できるか不安」「一時的に人員が余っているが解雇したくない」そんな経営者の方に活用してほしいのが産業雇用安定助成金です。
本記事では、産業雇用安定助成金の仕組み・受給額・申請方法を2026年最新版として解説します。雇用調整助成金との違いや、コロナ禍で急増した「在籍出向」の具体的な活用事例も紹介します。
産業雇用安定助成金とは
産業雇用安定助成金は、事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた事業主が、在籍出向によって雇用を維持する場合に助成される制度です。
「雇用を維持したい出向元」と「人材を受け入れたい出向先」の双方に助成金が支給される点が特徴です。
産業雇用安定助成金の2種類
| コース | 内容 | 対象 |
|---|---|---|
| 雇用維持支援コース | 在籍出向により雇用を維持する | 出向元事業主 |
| スキルアップ支援コース | 出向中のスキルアップを支援 | 出向元・出向先双方 |
雇用維持支援コース|出向元への助成
受給額の詳細
| 区分 | 助成率(出向元負担額に対して) |
|---|---|
| 中小企業(出向元) | 2/3 |
| 大企業(出向元) | 1/2 |
計算例:
出向元が出向者1名に月30万円の賃金を支払い、出向先から15万円の出向費を受け取っている場合:
- 出向元の実質負担:30万円 − 15万円 = 15万円
- 受給額(中小企業):15万円 × 2/3 = 月10万円
1年間(12ヶ月)継続すると:10万円 × 12ヶ月 = 年間120万円
助成の上限・期間
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 助成対象期間 | 最大2年間(延長措置あり) |
| 支給上限 | 1人1日あたり一定額(年度により異なる) |
| 同一労働者への支給回数 | 同一出向先への出向は1回まで |
スキルアップ支援コース|出向中の教育訓練を助成
概要
出向先での業務だけでなく、出向中に職業訓練・資格取得・研修を受講させた場合に追加助成が受けられます。
| 訓練の種類 | 助成額 |
|---|---|
| OFF-JT(座学・外部研修) | 訓練費用1/2〜3/4 |
| 資格取得のための受験費用 | 受験料の1/2〜3/4 |
雇用調整助成金との違い
混同されやすい「雇用調整助成金」との違いを整理します。
| 比較項目 | 産業雇用安定助成金 | 雇用調整助成金 |
|---|---|---|
| 雇用形態 | 在籍出向(別会社で働く) | 休業・短時間勤務 |
| 労働者の状態 | 出向先で就労する | 自社で休業する |
| 助成対象 | 出向元(+出向先) | 事業主 |
| 社会保険 | 出向元が継続して適用 | 出向元が継続して適用 |
| スキルアップ | 出向先での実務で自然に習得 | 休業中は学習機会なし |
在籍出向のメリットは、労働者が実務経験を積みながら雇用を維持できる点です。単なる休業より労働者・企業双方にプラスです。
在籍出向とは?仕組みをわかりやすく解説
在籍出向の基本構造
出向元(元の会社)← 雇用関係継続
↓ 出向指示・出向合意
出向者(労働者)
↓ 出向先で業務
出向先(別の会社)← 出向受入・指揮命令
在籍出向では、労働者は出向元との雇用関係を維持したまま、出向先の指揮命令のもとで働きます。社会保険・雇用保険は通常、出向元が継続して加入します。
出向合意に必要な手続き
- 1. 出向元・出向先間の「出向協定書(出向契約)」を締結
- 2. 出向者本人への説明と同意
- 3. 「個別出向合意書」の作成(就業場所・業務内容・賃金負担・期間を明記)
- 4. 出向元の就業規則に「出向規程」を設ける(未整備の場合は改定が必要)
申請の流れ
事前確認から受給まで
ステップ1:事前確認(出向開始前)
- ハローワークまたは都道府県労働局に事前確認を依頼
- 支給要件の確認・出向計画書の作成
ステップ2:出向開始
- 出向協定書・個別出向合意書を締結
- 出向開始日を記録
ステップ3:支給申請(原則月次または2ヶ月ごと)
- 賃金台帳・出勤簿・出向費用の精算書類を添付
- 所定の支給申請書に記入して提出
ステップ4:審査・支給
- 審査後(通常1〜2ヶ月)に支給決定通知
受給要件の確認
出向元が満たすべき主な要件
- 雇用保険の適用事業主であること
- 売上・生産量が一定水準以上減少(コースにより異なる)
- 出向者が雇用保険の被保険者であること
- 出向協定書・個別出向合意書が存在すること
- 出向元就業規則に出向規程が整備されていること
出向先の要件
- 出向元と資本的・人的な支配関係にない別法人であること(グループ会社間の出向でも条件次第で可能)
- 出向期間中、出向者を適正に雇用管理すること
活用事例
事例1:飲食業→食品製造業へ出向
コロナ禍以降も売上が戻らない居酒屋チェーンが、スタッフ5名を食品製造会社へ在籍出向。
- 出向期間:6ヶ月
- 1名あたり出向元負担:月5万円
- 助成額(中小企業・2/3):月3.3万円/人×5名 = 月16.5万円
- 6ヶ月の総受給額:約100万円
出向先での製造・物流経験が、飲食業の業態転換(中食・弁当販売)にも活用できた。
事例2:IT企業→スタートアップへ出向(スキルアップ支援)
受注が減少したシステム開発会社が、エンジニア3名をスタートアップへ出向。出向中にAIスキルアップ研修も実施。
- 雇用維持支援コース:月8万円/人×3名 = 月24万円
- スキルアップ支援コース(研修費用10万円/人):7.5万円/人
- 合計受給額(6ヶ月):約166万円
出向終了後、AI開発案件を自社で受注できるようになり収益改善。
産業雇用安定助成金と他の助成金との併用
| 助成金 | 産業雇用安定助成金との併用 |
|---|---|
| 雇用調整助成金 | 同一期間・同一労働者への重複支給は不可 |
| 人材開発支援助成金 | 出向中の研修費用として併用可能(スキルアップコース活用時) |
| キャリアアップ助成金 | 出向後に正社員転換した場合に申請可能 |
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産業雇用安定助成金の申請には、出向協定書の作成・就業規則の整備・申請書類の準備が必要です。「出向先の見つけ方がわからない」という場合も、True Partnersのネットワークでマッチング支援が可能です。
| True Partners の特長 | 詳細 |
|---|---|
| 年間平均受給額 | 640万円 |
| 受給率 | 100% |
| 着手金 | 0円(成果報酬型) |
| 最大受給実績 | 7,200万円 |
| 対応エリア | 全国どこでも対応 |
📞 03-6271-8714(受付 10:30〜20:00)
まとめ
産業雇用安定助成金のポイントをまとめると:
- 1. 在籍出向で雇用を守りながら助成金を受給 → 解雇なしで乗り越える手段
- 2. 出向元の負担額の2/3(中小企業)を助成 → 賃金負担を大幅に軽減
- 3. スキルアップ支援コースで研修費も補助 → 出向中の育成コストも回収
- 4. 雇用調整助成金との使い分けが重要 → 休業より実務継続のほうが双方にメリット
- 5. 申請は出向開始前の事前確認が必須 → 後から申請は原則不可
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