人手不足が深刻化する中、従業員の採用・定着・育成に取り組む中小企業を国が後押しする制度が「人材確保等支援助成金」です。2026年度は支給額や対象要件が一部見直され、より多くの企業が活用しやすくなりました。本記事では制度の全体像から申請手順まで、実務に役立つ情報を徹底解説します。
人材確保等支援助成金とは?制度の概要と目的
人材確保等支援助成金は、厚生労働省が所管する雇用関係助成金のひとつです。主に「雇用管理制度の整備・導入」を通じて、従業員の離職率低下や職場環境の改善を実現した事業主を支援することを目的としています。
助成金の基本的な仕組み
この助成金は、以下のような取り組みを行った企業に対して支給されます。
- 評価・処遇制度の導入
- 研修制度の整備
- 健康づくり制度の導入
- メンター制度の構築
- 短時間正社員制度の導入
制度を整備するだけでなく、実際に従業員が活用し、雇用保険被保険者数が増加するなどの「目標達成」が支給の条件となる点が特徴です。
2026年度の主な変更点
| 変更項目 | 2025年度 | 2026年度 |
|---|---|---|
| 評価・処遇制度コース助成額 | 最大130万円 | 最大150万円 |
| 研修制度コース助成額 | 最大50万円 | 最大60万円 |
| 健康づくり制度コース | 最大60万円 | 最大70万円 |
| 対象事業所規模 | 変更なし | 小規模事業所優遇拡大 |
| 申請期限 | 目標達成後6ヶ月以内 | 目標達成後6ヶ月以内 |
人材確保等支援助成金のコース別内容と支給額
人材確保等支援助成金には複数のコースがあり、企業の課題や状況に応じて選択できます。
コース1:雇用管理制度助成コース
雇用管理制度助成コースは、評価・処遇制度、研修制度、健康づくり制度、メンター制度、短時間正社員制度のいずれかを新たに導入した企業が対象です。
支給額の目安:
| 制度の種類 | 支給額(1事業所あたり) |
|---|---|
| 評価・処遇制度 | 最大150万円 |
| 研修制度 | 最大60万円 |
| 健康づくり制度 | 最大70万円 |
| メンター制度 | 最大40万円 |
| 短時間正社員制度 | 最大40万円 |
申請の流れは「計画認定 → 制度導入 → 目標達成確認 → 支給申請」という4ステップです。
コース2:介護福祉機器助成コース
介護事業者が介護福祉機器を導入し、離職率の低下や身体的負担の軽減を実現した場合に支給されます。
- 機器導入助成:機器購入費用の25%(上限150万円)
- 目標達成助成:機器購入費用の20%(上限180万円)
コース3:介護・保育労働者雇用管理制度助成コース
介護・保育事業者が雇用管理制度を整備した場合に支給されます。
| 区分 | 支給額 |
|---|---|
| 制度整備助成 | 最大30万円 |
| 目標達成助成 | 最大80万円(中小)、60万円(大企業) |
コース4:建設キャリアアップシステム等普及促進コース
建設業において、建設キャリアアップシステムを活用した雇用管理制度整備を支援するコースです。
申請資格・対象事業主の要件
人材確保等支援助成金を受給するためには、以下の共通要件を満たしている必要があります。
基本要件
- 1. 雇用保険の適用事業主であること
- 2. 支給申請日の前日時点で、1年以上継続して事業を行っていること
- 3. 制度の導入・実施前に計画書を提出し、認定を受けていること
- 4. 労働関係法令を遵守していること(過去に助成金の不正受給がないこと)
よくある受給資格喪失のパターン
| NG行為 | 詳細 |
|---|---|
| 計画書未提出での制度導入 | 計画認定前に制度を実施してしまうと助成対象外 |
| 雇用保険料の滞納 | 申請時点で滞納がある場合は受給不可 |
| 過去3年以内の助成金不正受給 | 全ての雇用関係助成金が対象外となる |
| 目標値の未達成 | 計画で設定した離職率低下等の目標を達成できない場合 |
申請手順と必要書類の準備方法
人材確保等支援助成金の申請は、大きく「計画届の提出」と「支給申請」の2段階に分かれます。
ステップ1:雇用管理制度整備計画書の提出
まず、制度を導入する2ヶ月前までに「雇用管理制度整備計画書」を管轄の労働局またはハローワークへ提出します。
必要書類:
- 雇用管理制度整備計画書(様式1号)
- 就業規則(賃金規定含む)の写し
- 労働者名簿
- 雇用保険適用事業所設置届の写し
- 賃金台帳の写し
ステップ2:計画の実施(制度の整備・従業員への周知)
計画認定後、定められた期間内(原則1〜3年)に制度を整備・実施します。就業規則への規定、従業員への周知、実際の運用が必要です。
ステップ3:目標達成の確認
計画期間終了後、目標(離職率の低下など)が達成できているかを確認します。
ステップ4:支給申請書の提出
目標達成確認後、6ヶ月以内に支給申請書を提出します。
追加で必要な書類:
- 支給申請書(様式3号)
- 制度の導入を証明する書類(就業規則改定前後の写しなど)
- 離職率を確認できる書類(雇用保険の被保険者記録など)
- 制度利用者の賃金台帳・出勤簿
採択率を上げる計画書作成のコツ
目標数値は「達成可能かつ具体的」に設定する
離職率の目標値は、現状より高すぎず低すぎない水準に設定することが重要です。現在の離職率を正確に把握し、制度導入による効果を現実的に見積もって目標を設定しましょう。
制度の「実効性」を示す
審査担当者が最も重視するのは「本当に従業員のためになる制度か」という点です。導入する制度が形式的なものではなく、実際に従業員が活用できる仕組みであることを計画書で示しましょう。
専門家への相談を検討する
人材確保等支援助成金は計画書の書き方や目標設定が採択に大きく影響します。社会保険労務士や助成金専門のコンサルタントに相談することで、申請成功率を高めることができます。
人材確保等支援助成金と他の助成金との併用
人材確保等支援助成金は、他の雇用関係助成金との併用が可能な場合があります。
| 組み合わせ例 | 効果 |
|---|---|
| キャリアアップ助成金との併用 | 非正規→正社員転換 × 制度整備でダブル受給 |
| 人材開発支援助成金との併用 | 研修実施費用 × 制度整備で補完 |
| 両立支援等助成金との併用 | 育児・介護支援制度と組み合わせ可能 |
ただし、同一の取り組みに対して複数の助成金が支給されることはないため、どの助成金を優先するかを事前に戦略的に検討することが重要です。
まとめ|助成金活用はTrue Partnersにお任せください
人材確保等支援助成金は、採用・定着・育成の課題を抱えるあらゆる業種の中小企業に活用できる有力な制度です。2026年度は支給額が拡充され、より多くの企業が恩恵を受けられるようになっています。ただし、計画書の事前提出や目標達成の要件など、手続きの複雑さも増しているため、早めの準備と専門家への相談が成功の鍵となります。
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